日本と海外をつなぎたい。インドで熟成された思い!


インドで働く人インタビュー第二弾!ここインドに身を置いて6年。インド企業のMAYUR BATRAで働く鈴木さんにインタビューをしました。

たまたまインドに転職したという鈴木さん。真剣な話と笑い話を交えながら、揺るがない熱い思いを語っていただきました。

海外と日本をつなぐ仕事がしたい

いつ頃から海外に興味を持ち始めたのですか?

西ドイツで生まれたんですが、その後フランスに5歳まで住んでおり、もともと海外に住んでいたというのは大きいとは思います。小中高大は日本だったんですが、当初から海外と日本をつなぐ仕事をしたいと思っていました。

転職のきっかけは何だったんですか?

新興国で働きたいと思っていたんです。転職の際にJACを利用させて頂き、当初は中国かシンガポールで転職したいとお願いしていました。当時経済的に勢いのある国で考えると、中国とシンガポールだったんです。その中で、たまたま、日本側の担当者の方が、「私ここいいと思う。」って感じで、インドの求人を提案して頂きまして、じゃあこちらも試しに受けてみようかという感じで受けてみました。

経営に携われるような仕事がしたいということで、コンサルティング又は金融系の業務で転職を考えていました。でも金融業界への転職はどちらかというと専門知識や業界経験が必要で、すぐに入社できる業務で当時募集してたのはバックオフィス系の業務ばかりでしたので、あまり熱心に求人を探していませんでした。自分もそれに対応するスキルがなかったので。結果的にはコンサルの仕事を中心に転職を探していたんですね。

最終的に今の会社にオファーをいただいて、そこから慌ててインドについて調べてみたらインドの経済成長は著しいと感じました。当時、インドにどれだけの日本人がいるのかというのを調べてみると4、5千人だったんです。一方で中国やシンガポールには日本人は何万人もいますし、ほかの中国人でも日本語をしゃべれる方はたくさんいらっしゃいます。そのなかで転職した自分をイメージしてみた時に、自分がどの国で転職したら最もバリューを発揮できるか、自分が一番になれる可能性が高いかと考えて、インドで勝負したほうが勝てるなと思い、最終的にインドに来ようと思いました。

 

インドの会社でジャパンデスクを担当!

事業内容についてお聞かせください。

私の会社では、会計事務所を主体としたインド進出に関する総合的なコンサルティングサービスを提供しています。インドで会社を設立したりとか、会社を設立した後の会計・税務などのコンプライアンス業務であったりとか、契約書の作成やレビューなどです。社内にはインド人の弁護士と会計士がおりますので、そういった専門家のサポートを経て、専門知識を活かしてお客様の事業をサポートしていくというのが我々の仕事です。

鈴木さんはどのような業務をしていらっしゃるのですか。

社内には日本人向けのサービスを専門にサポートするジャパンデスクを設置しています。合計7名の日本人がおり、私はデリー近郊、バンガロール、チェンナイ、あと東京とドバイ事務所を管轄しています。バンガロール・チェンナイ、ドバイには常駐の日本人がおりますので、その人たちと連携してお客様のサポートと営業活動を行うのが私の業務です。

インド企業で働く鈴木さんですが、実際にインド人の方と働いてみていかがですか。

インド人の方が仕事はしやすいんじゃないかなと思います。物事をはっきり言いやすいので、腹が立つとか、自分はそうは思わないとか、そうゆう思ったことを率直にコミュニケーションできるのがいいですね。日本人だと空気読めよとゆうところがあって、上司が言ってることに対して否定をしたりとか、ちょっとそうは思わないんだけど、とかってなかなか言いにくいと思います。インド人の場合にはこういう考え方もあるんじゃないでしょうかと言えるのでやりやすいと思います。

インドで働くにあたって大切にしていることを教えてください。

基本的には、これはインド人だけなく、コミュニケーションをとるときに私の中で重要だと思うのは、自分の本音だったり、思いをいかに伝えるかということです。それがしっかり出来れば、当然語学やスキルなども重要ですが、ある程度コミュニケーションは成り立つと思います。そこを体当たりしていくということは大事だと思いますね。自分の中で、なにかやりたいことや、お客様に何かしなければいけないってなったときに、それを周囲のインド人にサポートしてもらえるかは、自分がいかに相手に対して自分のやって欲しいという思いを伝えられるかだと思います。

あとは、話を聞くということです。日常の会話の中でインド人が言ってくることって、文化や考え方の違いもあって、理解不能だったり絶対違うと思うことがあります。でも、そこでそれを一回飲み込んでみるといいますか、そうゆう考え方もあるのか、と相手の話を聞くことが重要だと思います。それによって、相手は自分の話を聞いてくれる人ということで信頼もしてくれます

そこで、なに言ってんだって言ってしまうと、お互いの信頼関係が成り立たなくなってしまいます。なに言ってんだと思うのはあくまでも自分の価値観、日本人としての価値観だったりして、文化が違うなかでもやっていくには相手がなに言ってんだと思うのではなく、一回聞いてみる。一回聞いてみて、聞き流してもいいと思いますが、とにかく聞くだけ聞いてみるっていうのは重要だと思います。そうしないとなかなかお互いに歩み寄れないといいますか、難しいと思います。

 

6年でかなり改善されたインドの生活環境

もう6年も住んでいらっしゃるということですが、インドでの生活はいかがですか。

今と比べると来た当時は本当に日本食のお店も少なかったです。今ですとスタバやファーストフードのチェーンも増えましたし、外食するにしてもかなり行く店は増えたと思います。日本食のお店もかなり増えましたし、2010年とかはまだそういったお店はなかったので、そういった意味だと食事は結構大変でした。今はそんなことないですけど。

インドにきて意外だったことはありますか。

インド人のステレオタイプがないということでしょうか。相当面白い民族だと思います。ちょっと東南アジア系なウェットな部分もありますし、欧米系なドライな部分もあって、アジア人と欧米人のハイブリッドという感じがしますね。

治安は思ったよりよかったです。むしろ日本のほうが悪いんじゃないかなって思います。日本にいるほうが犯罪にあう確率も高いんじゃないかと思います。地震や台風などの自然災害も多いですからね。

インドで困っていることはありますか。

ネットの接続速度が遅い。携帯電波が悪い。交通渋滞、大気汚染などでしょうか。冬場は、気流の関係もあり、朝気温が下がると、もやみたいなのが出ます。霧みたいな、ヘイズとインド人は言っていますが、午前中はなかなかそれが溜まっていて晴れません。一日帰ってくると、相当鼻が黒くなります。絶対にマスクをすることをお勧めします。それから、デリー近郊は冬場かなり冷え込みます。最低気温が3~4度まで下がり、建物の建付けが悪く隙間風も入るので結構きついです。しかもオフィスには冷房しかないですから、大抵どこのオフィスに行っても皆さんマフラーとか、耳あてを付けて仕事してますね。インド人女性もサリーの上からダウン羽織ってるんです。(笑)

 

インド転職がきっかけで明確になったビジョン

インドでのお仕事は今後も長そうですか?


インドで腰を据えて働いていこうと考えています。インド経験が長ければ長いほど、インドの全部を理解していくのは難しいと感じています。自分が分かる範囲は限られていますので、残りはインド人の力を借りて理解する必要があります。どうしても我々は外国人なので完全にインド自体を理解できません。あくまでもアウトサイダーですので。インド人になれって言っても、そうすると今度は我々が日本人である意味もなくなってしまいます。インドという国での仕事の仕方とか仕組みとかというのはインド人のほうが詳しいわけなので、そこは彼らから吸収していく部分が多いと思いますね。

鈴木さんの今後のキャリアについて教えてください。

過去の経験を通じて、実際のオペレーションの流れについては理解しています。現在はより専門性を高めるということで、専門知識を必死にインプットしている状況です。継続的な勉強が必要な業務ですが、徐々に専門的なコンサルティングができるようになってきています。今後とも専門知識を生かして引き続き日本企業のインドでのビジネスや日系企業の進出をサポートをしていきたいと思っています。

日系企業としてはグローバル化の進む今日、当然インド以外の新興国でのオペレーションをやっていかないといけないと思いますので、そういった他の地域でも将来的にはサポートできたらいいなと思っています。今の会社に入って、日系企業の海外進出を専門知識を生かしてサポートというのが明確になったので、今回の転職が、自分のなかの方向性を定めてくれたきっかけだと思います。

今までの海外と日本をつなぎたいってだけですと非常に曖昧だったと思います。なにをどうするのかというのが不明確で、それが具体的になったのは、今の仕事をしてみて、それで専門知識を活かして日系企業の現地でのオペレーションをサポートしたりとか、進出をサポートしたりとか、結局文化や、制度とか法律の違いがあるわけなので、それを専門知識や経験で埋めていきたいと思っています。

 

最後にこれからインドで働きたいと考えている方へメッセージをお願いします。

とりあえず来てやってみたらいいと思います。基本的に日本とインドってあまり接点がないと思っています。宗教的にも全然違いますし、地理的、言語的にも全然違いますし、基本的にほとんど共通項はないと思うんですね。例えば日本人ってある程度欧米化しているので、それらの文化に理解もしていますし、親しみがあると思うんですけど、インドって共通項が非常に少ないと思います。

ですので、インドに来た時にいろんなギャップだったり、戸惑うことがたくさんあって、自分の知らないことであったり、出会ったことのないことが多いと思うんです。それはある種のストレスになるし、それをこうきちんと自分の中で消化して、ある日、ああ、こうゆうことがあったなって気づいていくことがあったりとか、葛藤が統合されて腑に落ちる瞬間があると思います。葛藤の大きさだったりとか、自分が感じるストレスは大きい国ですが、それを逆に大きなものに挑戦しているとポジティブにとらえて、それを吸収することができれば、今後10年、20年後の自分の財産になると思います。そういった挑戦ができる場として、ぜひインドに来ていただければ面白いと思います。

編集後記
非常に熱い思いを持っている鈴木さん。常に自分の価値は何なのかと自問自答し、その地で勝負するという姿勢に私自身かなり影響を受けました。インドに身を置いて6年。鈴木さんはまだ6年とおっしゃいますが、もうインドのプロフェッショナルであることは間違いないと思います。これからも日本とインド、日本と海外をつなぐ架け橋としての活躍を期待しています。