生徒から経営者へ!?インドで語学学校経営、ITサービス起業!20代男性のあくなき挑戦!


インドで活躍する現地採用の方々にフォーカスをあててきたインタビュー企画。今回は少し視点を変えて、インドで起業している経営者の方にお話しを聞かせていただきました。

記念すべき経営者シリーズ第一弾は、ひょんなきっかけでインドにある語学学校MISAOを運営することになった斎藤さん。なぜ、インドに来たのか?超巨大マーケットインドで奮闘する斎藤さんのインサイトに迫ります!

明日、語学学校が潰れます

インドではどのような事業をされていらっしゃるんですか?

私はインドでMisao language instituteという語学学校で働いています。語学学校といっても、英語だけじゃなくて、ITやインターンの斡旋しているような総合教育施設みたいなのをやっています。もう1つはスタートアップでファッションのキュレーションメディアの「STYLLOG」を運営しています。

まずは、MISAOで働くに至った経緯について教えてください。

約二年半前、私が25歳に初めてインドに来ました。実は、MISAOで英語を勉強しようとしていたんです。それで、いざ到着したら、教室がない。先生も生徒もいない。あっけにとられていると、突然オーナーから「来月つぶれます。」聞いて、「であれば、私が運営します。」ということになりました。そのときから試行錯誤を繰り返して、運営して、徐々に売り上げも上がっていきました。最初は生徒としてMISAOに来ていたのですが、いつのまにか経営することになったという少し特殊な経緯なんです。

英語を勉強しにきたとのことですが、何か海外に目を向けるきっかけはあったんですか。

前職は日本の人材業界、新卒マーケットでビジネスをしていたのですが、当時、そのマーケットがかなり縮小しているという現状に加えて、日本全体で考えても拡大しているマーケットではない。この二つの事実の下で、閉塞感が漂う中ビジネスをしていました。

一方、海外で話題のスタートアップを見てみると、成長国で成長している産業で、昨年対比成長率が500%、800%とか。一年間で5~8倍だったのです。我々もかなり成長させる気持ちでやっていたのですが、やはり200%くらいしかいかないんですよね。そんな現状を20代という若いうちに見てて、成長国で成長している産業、市場のど真ん中に身を置きたいとずっと思っていました。
そうなったときに英語はもちろん必須ですし、これから何十年間は、ずっとアジアの時代だと思うので、最初は超巨大なマーケット「インド」は見ておかないといけないということで、インドに来ましたね。

 

あなたが思っているインドとは全く違う世界

MISAOで働くなかでインド市場に対しての新たな気づきはありましたか?

インドの生活面は、急激に便利になっていますね。2年前になかったものが、今はあったりして。そういう意味では市場の拡大を肌で感じています。

MISAOに関しては、我々のオーナーの理念が「インドと日本を近づけたい」で、我々MISAOができるまで、今まで学生とか若手の方がインドに安全に来るルートが1つもありませんでした。それを我々が提供できたかなと思っています。始めた2年前は、インドにいる日本人大学生の数はデリー周辺で4,5人みたいな状況だったのが、今Misao経由で学生さん、インターン等を誘致していて、急増したなと感じています。

確実に日本とインドの関係性も良好になっているとヒシヒシと感じていて、日本人にとっても、インド人にとっても情報発信等によって浸透しているのかなと考えています。

全世界的に注目されているインドですが、インフラ、治安面で、心理的に遠い国でもあると思います。そういう背景の中、工夫されていることはございますか。

大きく分けて2つあります。まず1点目は、日本人が運営している安心で安全なところっていうのはインドにほとんどない。その中で我々は完全に日本人対応、日本語対応にして、最初のサポートとか、オペレーションのレベルを飛躍的に向上させた点ですね。我々にお問い合わせに来た人は日本の会社とやりとりしているような感じで留学に来れるというのがお客様からも高評価を頂いています。

2点目は、かなりメディアとかブログで情報発信しているんですけども、楽しそうな情報を発信するということをすごい意識しています。なので過去にも、生徒やスタッフにyoutubeやvineでおもしろそうなコンテンツを作ってもらったり、我々自身も、「いろんなイベントやっているよ」とか、「パーティやっているよ」とか、そうゆう記事を書いたりしながら、楽しい国なんだよということを発信しています。

やはり、日本人が持つインドのイメージって、混沌としていてカオスで、インド人が騙してきて、お腹壊して、古き良きインドカルチャーを楽しむのが旅行者のふつうみたいな感じだと思うんですけど、それ以上に最新トレンドのエンターテイメントもたくさんあって、クラブ、EDMもそうですし、ゲームセンターに行けばオキュラスっていう拡張現実のゲーム等もあります。そういう新しいチャレンジをインドは数多く取り組んでいて、日本と違ったエンターテイメントはたくさんあるよということは意識して発信しています。

インドでビジネスをするにあたって、直面する困難ってありますか?

完全に人ですね。とにかく採用が命だと思っていて、特に我々はサービス業なので、採用は本当に大変ですね。面談を調整してもまず来ないです。来ない前提でスケジュールを考えるというのがまず1つ。

仮に面談に来て、面談を合格して、入社日にこない。面談に来ない率が50%だとすると、働く日に来ない率が50%。そうすると来る率が25%。面談の日にはこのスキルができるって言ってたのにできない人が50%。その時点で12%くらい。さらに採用して1週間、1ヵ月で辞めるという人が50%。まともな人は5、6%くらいというイメージですね。

なので本当に1人採用するのに20人と会って、全員来たとしても1人いるかいないかみたいな。それくらいの採用の難易度というのはありますね。それは我々一番苦労しています。

 

インドで常に新たなビジネスの種まき

スタートアップ事業である、「STYLLOG」のことについて教えてください。

今日本で流行っているオンラインマガジンです。ファッションメディアを作りたいということで、インド人女性をターゲットにして、日本でいう「MERY」のようなメディアを、インドでも作ったら面白いんじゃないかと思って作り始めました。

それは今、インターン生と一緒にやっていて、ファッションブロガーとか、おしゃれな女子大学生をライターとして雇って、どういうファッションが流行っているのかといった記事を書いています。

実際インド人女性の反応はいかがですか。

非常に苦戦していますね。インドの女性が多様な趣味を持つとか、新しいことをするというカルチャー自体がほとんどなかったんです。やっと最近女性の地位が向上してきており、そういったカルチャーが徐々に出始めてはいます。しかし、お金を持っている層というのはそこまで多くはないし、ファッションに興味がある層っていうのもそこまで多くはないというのが現状でした。

始める前とやった後で考え方が変わったのかなというのは、本当にインドはかなりブランド志向で、特定のブランドに関してはものすごくファンがいて、どんどん情報を集めている。けれど、それ以外の無名な物に関しては全く興味がないという現状がありますね。

なので日本とか韓国のように、おしゃれコーデを楽しむみたいな段階というよりは、まだまだブランド品を買って、それを着ているというのが現状かなと思いますね。

インドのスタートアップの現状について教えてください。

私が感じているのは、今はインドに便利なサービスが少ないので、ウェブを通じて、圧倒的に便利にするようなサービスはすごく流行っているなという印象です。

例えば、有名なOlaCabとかGrofers。OlaCabだったら、簡単にタクシーを呼べるとか、Grofersであったら、グローサリーのものを買ってきてくれるっていうのは、やっぱり使ってみて分かるんですけど圧倒的に便利なんですね。今、そうゆうサービスは受け入れられているなというような印象になっています。

一方で、個人の自己実現の場を与えるようなサービスはまだまだ浸透していないなと思っていて、たとえば日本だったら、自分の趣味のサイトとか、自分のコーディネイトのサイトとかっていうのもたくさんあるとおもうんですけど、インドではまだまだないかなという感じですね。

その背景は、どういうところにあるのですか?

そもそも娯楽に興味がないっていうのもありますし、まだまだ、お金を娯楽に使えないというのがあると思いますね。例えば、インドの若者と話していても、欲しいものは、男性の場合だったらバイクもしくは車というのがインドの特徴です。

一方で日本の若者っていうのは、今欲しいものは何っていうと、みんなそれぞれ別々の答えになるっていうくらい、個人の自己実現のフェーズに入っていっているなと思っていて、まだまだインドだとほんとi phoneとか、バイクを持っているっていうのがステータスになっているので、当分この状況が続くのではないかなと思います。

 

インドは可能性に満ち溢れている

インドでの今後の展望について教えて下さい。

当面はインドにいようかなって思っています。インド国内で、日本人で個人でやっているという方はまだまだ少ないので、そうゆうプレゼンスはどんどん発揮していきたいなと思っています。既存事業とシナジーのある事業を多く立ち上げていくっていうのは大前提で、インドのスタートアップに興味があるし、可能性に満ち溢れているので、どんどん挑戦しながらやっていきたいなっていうのはあります。

最後にこれからインドで働こうと考えている方にメッセージをお願いします。

20代のうちに海外で働く経験は一回はしておいたほうがいいです!国を選ぶ上で、アジア、欧米ってあるんですけど、恐らくインドが一番生活はしづらいです。仕事のストレスとか、仕事の大変さもインドが一番、大変だと思います。

それでもインドに来た理由は、やっぱりインドでこうゆうことを経験しておくことによって、自分の限界をどんどん超えていけるかなと思っています。我々もこの事業をやっていくうえで、できないことってたくさんあるんですよ。さらにインドという環境が絡んでいるので。

それをどう考えて、解決していくかというのが一番の成長ポイントで、一番面白いポイントかなと思っています。私タイに住んでいたこともあったんですけど、やはり全然難易度が違うので、やっぱり最初に一番難易度が高い国に行ったほうが面白いのかなと思います。

編集後記:
生徒として、訪れた語学学校で、まさか経営することになるとは思わなかっただろう。ただ、まぎれもなく、本人の即断、即決、即行動の3拍子が揃っていたからこそ、今の斎藤さんがあるのではないかと感じた。20代で今後の自分の人生に悩んでいる人の背中を押してくれるような力強い発言、漂う自信。失敗を恐れず、留まることなく、自らの磨き上げたビジネスセンス、IT知識、周りを巻き込む力を武器に、インドに新たな風を吹き込み続ける勇者の今後の活躍に目が離せない。