【海外就職】日本のサービスレベルをインドに!ホスピタリティー業界のプロフェッショナルの挑戦!


インドで働く人インタビューシリーズ、今回は、インドにいらっしゃる日本人、日系企業の暮らし、食事、ビジネスをサポートするHIROHAMA INDIAで働く佐藤さんにインタビュー。

インドとの出逢い、大阪外国語大学ヒンディー語専攻に入学

大学時代のことについて教えてください。

実は、ヒンディー語に興味が強くあったわけではないんです。もともと、大学に進学するにあたって、外国語を専門的に学びたいと思っていました。中学で英語を初めて勉強して、外国語を学ぶのがすごく楽しいと感じ、それ以降、大学は語学系に進もうと決めていました。いざ進路選択の時、調べていくうちに、英語やフランス語のような比較的知名度と使用頻度の高い言語は、テキストも溢れていて語学スクールもあったので、大学以外でもやる気さえあれば学べると思い、せっかく大学で専門的に学べる機会が持てるのであれば、アルファベット以外の文字の特殊な言語を学びたいと考えるようになりました。でも、あまりに使用頻度が低い言語だと先々使用する機会がなく意味がないと思い、将来性があり今後使用する価値がある国の言葉がいいと思った時にヒンディー語が浮かび専攻することになりました。

大学での生活を教えてください。

4年間、ヒンディー語は勿論のこと、インドの文化、政治経済、人々の生活などインドに関する様々なことを学ぶ生活でした。例えば、一日に5コマあったら、3コマは言語で、2コマは文化などの時間。もう本当に一日インド漬けでしたね。また、ヒンディー語専攻は、他の専攻語に比べて一番厳しくて、「地獄のヒンディー」と呼ばれていたんです。まさかそんなことは入学するまで知らず、宿題も多くて先生も厳しい方が多くて、慣れるまでは本当に大変でした。一番大変だったことは、当時、日本語ヒンディー語の辞書がなかったため、ヒンディー語英語、英語日本語(英和)の二冊を駆使しなければ宿題ができなかったことですね。なので、大学4年間は、ヒンディー語の宿題に明け暮れる毎日でした。幸か不幸か、大学の周りにはあまり楽しめる場所がなかったため、思っていた大学生活とは違ったけれど、アルバイトを息抜きにしながら生活していました。

大学卒業後について教えてください。

大学進学時は漠然と将来的にヒンディー語を活かせる仕事に就ければと考えていましたが、日本ではなかなか使える機会がなかったので、卒業時にはヒンディー語を使えそうな仕事に就くことは考えていませんでした。地元に帰り、県庁や市役所などで国際交流などの海外と関わりのある仕事に就ければいいなと希望していたので、公務員試験に絞り勉強をしていましたが、卒業までに決まらなかったため、就職浪人をして公務員試験に挑戦していました。数ヶ月経ったある日、たまたま新聞に掲載されていたANAのグランドスタッフの採用情報を見つけ、帰省の際はいつもANAの飛行機を利用しており親しみがあったこと、また業務上英語を使う機会もあるのではないかと考え、興味をもって受けてみたら合格したんです。そこで、インドに来るまで、10年半伊丹空港にてANAのグランドスタッフとして勤めていました。

 

接客業の基礎を身につけ、面白みを感じたグランドスタッフ時代

グランドスタッフ時代のお話をお願いします。

もともと航空業界は目指していなかったし、接客も向いているとは思っていなかったので、たまたま縁があって働くことになったという感じでしたが、毎日多くのお客様との出会いがあり、とてもやりがいのある仕事でした。安全第一の世界なので、一分一秒を大切にする日々の業務は大変なことも多かったですが、接遇の基本、立ち居振る舞い、言葉遣いなどについても朝礼でのチェックや定期的な訓練等で細かく指導を受け、接客業の基礎を身に付けることができました。

グランドスタッフの仕事を長く続けられた秘訣

一般的なグランドスタッフ業務のイメージであるカウンター業務だけでなく、様々な業務を経験できたことが大きかったと思います。1,2年目は現場で一通りのことを覚え、3年目に新入社員教育のインストラクターを担当、その後も責任者業務などを経験することができました。また、年次を重ねるにつれ、新人教育、人財育成、組織運営にも関わる機会が増え、徐々に自信がついていきました。早朝から深夜までのシフト勤務で辛い時もありましたが、新しい役割をたくさん経験でき、それぞれの役割にやりがいを感じていたことで長く続けることができたんだと思います。

 

10年目の決意!インドでの海外就職への挑戦!

そんな佐藤さんが海外での転職を考えるきっかけとなったことは?

いろいろなことを経験して成長もすることが出来たけれど、30歳を迎えたころに、もし他にやりたいことがあるんだったら、転職も選択肢の一つかなと思ったんです。ちょうど10年勤め上げ、会社から節目の表彰を受けた年でした。表彰を受けたことをきっかけに、自分のこれからのキャリアを更に深く考えるようになり、若いうちに興味のあることに挑戦してみよう!と思ったんです。

なぜインドを選ばれたんですか?

転職を考える2年前くらいからインドには何度か旅行に来ていて、来るたびに発展していくインドにすごく面白みを感じていました。そこで、転職を考えた時に、最初は地元に帰ろうかなと思っていたんですけど、インドも選択肢の一つに入れてみようと思ったんです。でも、どうやってインドでの仕事を探せばいいのかわからず、まずはインターネットで調べてみようと思い、インド、求人といったようなキーワードで検索したところ、HIROHAMA INDIAの採用情報に辿り着き、募集要項に接客業経験者でヒンディー語ができれば尚良との項目があったので是非受けてみたいと思い応募しました。その後、採用していただけることが決まり、2011年3月に来印しました。

 

日本のサービスレベルをインドへ!佐藤さんのインド人スタッフ奮闘記

インドで就職し、現在に至るまで、どういうお仕事をされてきたのですか?

最初は、レンタルオフィス、サービスアパート、レンタカーなどのサービスをご利用頂いているお客様の対応、新規のお客様へのサービス提供、インド進出をご検討されている日系企業様からのお問い合わせ対応を担当しておりました。今は既存業務に加え、新規ビジネス立ち上げに向けたサポート、人事、人材育成、総務業務など多岐に渡る職務内容に従事しています。

インド人スタッフと接する上で、特に気をつけていることはございますか?

インド人スタッフとのコミュニケーションで心掛けていることは、あなたがお客様だったらどう思うの?っていうことを、本人に考えてもらうことです。例えば、ホテルに入って、部屋がきれいじゃないとする、あなたたちがお客様だったらそんなホテルに泊まりたいと思う?ってスタッフに質問を投げかけるんです。もちろん文化も教育も違うし、心から私が伝えたいことを理解しているスタッフは少ないかもしれないけど、それでもほとんどの質問に対する彼らの回答はほぼ100%私たちが思う感覚と一緒なんですよ。ということは、自分がお客様として利用する時は、国籍は関係なく同じサービスを望むということだと思うんですよね。現場で働くインド人スタッフに理解してほしいことは、私達が一方的に言うだけでは伝わらないことを日々実感しているので、自分で考えて理解して、自分がお客様の立場だったらどう感じるかを大切にして仕事をしてほしいとその都度伝えています。このポイントは、お客様対応を行う上で日本人でもインド人でも変わらない大切なことだと思っています。また、インドは特に転職が多い国ですが、もし将来彼らの職場が変わっても、その時に彼らにとってプラスになる経験を積んでほしいと思っています。

インドにいらっしゃって、一番苦労したことはなんですか?

初めはインド英語が聞き取れず苦労しました。現場で働くスタッフは100%インド人スタッフなので、指示を出すのも、お客様からのご要望などを伝えるのもすべて英語で、慣れるまでは本当に大変でした。日本での英語の使用頻度はほとんどなく、前職で使ったとしても同じ言い回ししかしなかったので、英語で会話することにも慣れておらず、毎日なるべくコミュニケーションをとるように意識して、3か月過ぎたころからだんだん慣れてきた感じでした。

ヒンディー語は意外に使う機会が少ないですね。会社勤めをしているインド人の人たちは教育も英語で受けていて、職場でのコミュニケーションも英語がメインなので、ヒンディー語を話す機会はほとんどありません。でも、せっかくインドに住んでいるので、簡単な日常会話程度の会話力は維持できるように、ローカルマーケットに買い物に行った時などは積極的にヒンディー語を使うようにしています。

 

インドで進化を続ける佐藤さん、ヒロハマインディアの輝く未来とは

5年を振り返って、そして、インドでの今後の展望は?

入社時のHIROHAMA INDIAの業務は日系企業の進出サポートと日本人のお客様の生活サポートがメインでしたが、その後、株式会社KUURAKU GROUPとの合弁会社KUURAKU INDIAが設立され、日本食レストランの「くふ楽」の展開が始まった時が、私の中で一番環境が変わった時だったと思います。それまで飲食業界に携わった経験が無かったので、新しい経験をさせてもらうことができましたし、日本食レストランが増えるということに対して、インドに住む日本人の方々の反響も大きくやりがいを感じました。ちょうどインドに来て2年くらいたった頃でした。その後、HIROHAMA INDIAニムラナホテルとくふ楽ニムラナ店のオープン、グローバルフォイヤー店のオープンと、2013年~2014年は特に仕事の幅が広がった年でした。今後も「くふ楽」チェンナイ店のオープンや、ヒロハマインディアの新しいプロジェクトが予定されているので、これまでの経験を糧に役割を果たすことができればと思っています。

インドの変化を目の当たりにして感じることは?そして将来の目標など?

特にグルガオンは近年また発展したと感じています。なので、インドでの仕事を探している方にとってチャンスはたくさんあるし、もっと増えてくるのではないかと思います。日系のサービス業なども増え、生活面でも便利になっているのを感じますので、5年後10年後はどんな風に変わっているのかなぁと期待が高まります

インドでの仕事や生活は大変なことも多いですが、他の国にはない面白さとチャンスがたくさん潜んでいる国だと日々感じます。インドに来たからこそ経験できたこともたくさんあるので、例えばこの先、帰国したり、違う国に行くとしても、インドでの経験を活かせる生活をしていたいと思います。

 

インドへの海外就職を目指してる人に一言お願いします

私がインドで就職をしたいと思った時、情報量が少なくて何から始めればいいかわかりませんでしたが、まずは自分で始められることから行動してみようと思って動き始めました。何かを決断する時は思ってるだけでなかなか一歩を踏み出せないことが多く、海外転職などの大きな決断であれば尚更そうだと思います。でも、まずは身近なルートから問い合わせをしてみたり、インターネットで情報を集めてみたり、小さな行動でもいいから不安がらずに動くことが大切かなと感じます。必ずその先に、今いる場所にはない貴重な出会いや経験が待っていると思うので。私自身も、インドに来て今の会社で働くことができ、本当に良かったと心から思っています。

編集後記

新聞広告で偶然見つけたお仕事で、社内で着実なキャリアアップを築き上げて10年以上働き、その後、インターネット検索で偶然見つけたお仕事で、インドに地に降り立ち、信頼を勝ち取り、様々なお仕事を任せられ、5年以上働かれている佐藤さん。ほんの些細な自身の行動が、人生を大きく動かすキッカケになるかもしれないという点を教えてくださると共に、自分の選択に責任を持ち、会社からの期待に応え、着実にキャリアアップを図る佐藤さんの堅実さ、責任感の強さに学びを得ました。インドを愛し、インド人と向き合い、教え導いている佐藤さんの姿は、多くのインドにいらっしゃる日本人の模範となっていることと思います。新規店舗、新規ビジネスと会社と共に、続々と新たな挑戦、成長を続ける佐藤さんの今後に乞うご期待です。