深刻化するインドの大気汚染!傾向を掴みしっかり対策を!


※こちらの記事は2016年6月頃に作成したものですが、2017年11月13日時点の最新情報を加筆修正して再度公開します!

世界保健機関(WHO)が2016年に公開した情報によると、インドの10都市が、世界で最も空気の悪い都市ワースト20に含まれています。PM2.5の年間平均値考えた場合のランク付けになりますが、10都市というのは言うまでもなく世界最多です。

インドで大気汚染が進んでいるというのは皆さんイメージにあるかと思いますが、このように数値を目の当たりにすると、やっぱり不安になってしまいますよね。

ではそもそも、PM2.5 とは何でしょう。なぜ体に悪いのでしょうか。そして、PM2.5 の危険を回避する方法はないのでしょうか。今回は、環境問題・大気汚染と言えば必ず話題に上がる、インドのPM.2.5についてです。

PM2.5とは?

PM2.5とは直径2.5μm以下の非常に小さな粒子のことです。1μm(マイクロメートル)は1mmの1000分の1、勿論目には見えない程の超微粒子です。また、PMは「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字をとった言葉です。

このPM2.5は単一の物質ではなく、炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩のほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどの無機元素などが含まれます。


これらの物質は、ボイラー等のばい煙を発生する施設、自動車、船舶等の移動発生源、塗装や印刷等のVOCを発生させるものなど、多種多様な人為起源があると言われております。

更にインドでは、木材や肥料の野焼き、家庭燃料としての牛糞燃料も原因として挙げられています。

なぜ悪いのか、体への影響は?

PM2.5は粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させると考えられます。

特に呼吸器系や循環器系の病気をもつ人、また、お年寄りや子どもなどは影響を受けやすいと考えられています。更には長期的には肺がんをも引き起こす可能性が指摘されています。

インドのPM2.5

ではインドの首都・デリーの大気汚染は、実際どのくらい悪いのでしょうか。

WHOが2016年に発表したデータによると、大気汚染と健康被害の原因となる微小PM2.5のデリーの年間平均値は、日本の環境基準の10倍近くにのぼる、1立方メートルあたり122マイクログラムでした。

ちなみにインド内での1位は、デリーから南に300キロほど離れた場所に位置する、グワーリオールという都市。
年間平均値は176マイクログラムで、世界的に見ても第2位の数値になります。

と、数値だけ言われても、それが良いのか悪いのか、いまいち分からないのが正直なところ…。

それでは、下の表をご覧ください。
簡潔に言うと、左の指数に関して、100以下はリスクが低く、100〜200が気をつけるレベルまたは健康に害を及ぼすレベル、300以上は危険レベルとなっています。
そして、こちらがWorld Air Qualityが示すインド・ニューデリーのMandir Margの2016年6月30日16時の数値です。

続いてこちらはニューデリーのお隣、発展都市のグルガオンです。ニューデリーの地域に比べるととても低い数値となっています。初夏は、かなり落ち着いているのが分かります。


*これらの数値は、交通量やpm2.5の原因となる商業施設、家庭での燃料の利用によって異なります。

また、こちらのグラフは在印アメリカ大使館が測定した、2015年1月~11月の日別平均の数値(ニューデリー)をグラフ化したものです。


グラフから、10月後半から数値が徐々に上がりだし、11月には危険レベルに達していることが読み取れます。

汚染の主な原因は、気温の下がる11~2月の間に、周辺の農村部で広範囲に行われる野焼きの煙や、年々増える自動車の排ガスと言われています。

またこの時期は、調理や暖房などで木材や固形燃料の消費も増えます。更に冬場は風が弱まり、空気が滞留しがちなのも要因とみられています。

しかし、一日の中で24時間PM2.5が高いわけではありません。14時~17時といった夕方の時間帯は、比較的数値が低くなります。
World Air Qualityのサイトからリアルタイムの情報を見ることができるので、是非チェックしてみてください!

【※追記 2017/11/13】
11月に危険レベルに達するって、まさに今ですよね!!
実際、今の数値はどうなのか。2017年11月13日19時の数値を見てみましょう。

まずはニューデリーのMandir Margから。
想像はしていましたが、かなり高い数値ですよね。危険レベルの300にまでもう少しで達してしまいます。
また、地図上をよく見て頂くと、500を超えているエリアもあるのが分かります。

次に、お隣のグルガオン。
ニューデリーに比べるとまだマシですが、それでも健康に害を及ぼし得る100を裕に超えています。

やはり、6月の値と比較すると、11月は数値がぐんと上がっていることが分かりました!!

予防・対策法

これらの一番の対策としては、このようにPM2.5の数値が高い都市や地域には行かないこと、住まないこと、ですが、そうはいかないですよね。そこで、いくつかの予防と対策を紹介したいと思います。
  • 長期間の運動や外出を控える
    外に長くいればいるほど、PM2.5を吸い続けてしまいます。また、激しい運動などは時間帯も考慮しながらするようにするのが得策でしょう。
  • 外出・換気を控える
    World Air Qualityのリアルタイム大気質指標などをチェックして、拡散量の多い日は外出や窓の開閉をなるべく控え、家の中に取り込む量を少なくするようにしましょう。
  • 高性能マスク(超微粒子の侵入を防げるマスク)を着用する
    目に見えない超微粒子レベルのPM2.5は、普通のマスクでは防ぐことが出来ません。そのため、鼻やあご、頬等にフィットするような高性能マスクがいいでしょう。マスクのほかに、サングラスやスカーフも多少効果的です。
  • 空気清浄機
    日本でもお使いの方はいらっしゃるとは思いますが、空気清浄機のご利用をお勧めします。また、これから購入を検討している方は、PM対策用対応機種かどうかをチェックしましょう。
  • 洗濯物は室内で干す
    室内干しを快く感じない人は多いと思いますが、室外で干してPM2.5を室内に取り込むよりも、室内干しをした方がいいでしょう。またインドは、雨季以外は日本ほど湿気が多くないので、部屋干しをしてもカラッと乾きます。
  • うがい、手洗い
    外出から帰宅した際は念入りにうがい、手洗いを心がけましょう。少しでも、体内に取り込んでしまう可能性のあるPM2.5の量を減らすことが目的です。
完全にPM2.5を遮断することはどうしても難しいですが、日々の心がけやマスク・空気清浄機等の利用によって、リスクを減らすことはできます。

また、食べ物などに付着したPM2.5の影響も気になるところですが、環境省では「PM2.5の影響は主に呼吸器系へのものであり、摂食による健康被害は報告されておりません」としています。

また、大気から吸収するのと、食べ物から吸収するのでは仕組みが異なるので、食の専門家も「悪影響を及ぼす可能性は低い」との見解を示しています。

 

まとめ


いかがでしたか。以上、インドのPM2.5の現状と予防や対策のご紹介でした。 今回は決して胸を張って紹介出来るようなポジティブなインドの部分ではなく、むしろ目をそむけたくなるようなトピックでしたが、ネガティブなインドの事実もお伝えすることで、より皆様にインドへの理解を深めて頂けたら、と思い記事を作成しました。

確かに、空気や水はあまり綺麗ではないし、大気汚染のせいで青空が見えないときも・・・。気持ちが滅入ってしまいそうになる時もありますが、それもこれも今まさに目まぐるしく発展しているインドだからこその現状です。

また、一年中24時間PM2.5の数値が高いわけではないので、怯えすぎて何もできなくなってしまうのは勿体無いことです。

ご紹介したように、予防や対策をすることでリスクを減らすことは可能です。更に、この事態をインド政府も深刻にとらえているため、市内を走る車の量を減らして公共交通機関の利用を促し、大気汚染の改善を目指す取り組みなども行われています。

これからインドを目指される皆さんも、対策をしっかりして快適なインドライフを目指しましょう!

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参考:
・在インド日本国大使館ホームページ「大気汚染関連情報」
http://www.in.emb-japan.go.jp/Japanese/pollution_info.html
・在印アメリカ大使館
http://newdelhi.usembassy.gov/airqualitydataemb.html
・微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html
・World Health Organization
http://www.who.int/en/
・Ambient air pollution databese 2016
http://www.who.int/entity/phe/health_topics/outdoorair/databases/who-aap-database-may2016.xlsx?ua=1
・World Air Quality
http://aqicn.org/city/delhi/shadipur/jp/

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