インド人技能実習生が日本の人手不足を解消し、インドオペレーションに貢献する。日印間で認定された「技能実習制度」の可能性


今回は、2017年11月1日に施行された技能実習法のもと『技能実習制度』を利用した人材育成・送り出しサービスをされているLOHIA CORP(以下、ロヒアコープ)の日本支社長 Sachin Mithal 氏(以下、サチンさん)に直撃インタビューをしてきました。

※技術実習制度とは、外国人技能実習生を日本で受け入れる制度。2017年10月17 日に、日本国法務省・外務省・厚生労働省とインド技能開発・起業促進省との間で技能実習に関する協力覚書(MOC)が署名され、ロヒアコープは、2018年3月23日に送り出し機関としてインド政府から正式認定されました。

2時間みっちりと、ミタル・サチンさんの経歴をはじめ、新たなビジネスを始めようと思ったきっかけや、これからの展望、日印間にどういった価値を生みだすサービスなのか?じっくりお伺いしました。

サチンさんが日印間ビジネスに積極的に取り組む背景

Palette編集部
早速ですが、サチンさんのこれまでのご経歴についてお伺いさせて下さい。
インドニューデリーで生まれ育ち、大学はインド工科大学デリー校を卒業し米国で大学院を卒業後、インドの農村で恵まれない若者を支援するNPOで活動しました

その後NASAの人工知能プロジェクトに関わる会社に就職し、1992年から人工知能の研究者としてSECOMへ転職、日本へ渡りました。

その数年後米国に戻りMBAを取得、経営コンサルティング会社で働いた後、Infosysで大手顧客の責任者としてはじめは日本、その後カリフォルニア支社へ行き、マネージメントとして幅広い経験を積んできました。

Palette編集部
素晴らしいご経歴ですね。ご家族帯同で海外でMBAを取得されるなんて、容易ではありませんよね。
妻もそう言ってくれています。ただ私は「自分のやりたいことをやってきた」ただそれだけです。

Palette編集部
日本には、どのような印象を?
はじめて日本に渡った時は本当に苦労しました。慣れていなかったし、日本人の考え方が分かりませんでした。しかし、ある1つのことを転機に日本を第二の故郷と思えるほど、愛するようになりました。

Palette編集部
日本でどういった転機があったのでしょうか?
妻が倒れ、長期で入院することになりました。私は、その間ただ会社に毎朝タイムカードを押しに行き、そのまま妻の看病に病院へ。妻のことを案じるあまり、仕事どころではなくそんな生活を続けていました。

そんな時、人事の人が病院を訪れ、私の担当の業務を他の従業員に振り分けようと提案してくれました。アメリカだったら、おそらく「奥さんが心配なのはわかる。でも仕事は仕事。」とビジネスライクに上司に叱責されていたでしょう。

日本人の、そんな温かい心に触れ、感動し、それ以来、わたしは日本人が大好きになりました。当時住んでいた場所には、サマーバケーションの度に訪問し、今でも第二の故郷のように想っています。

こんな背景から、日本に強い想いを寄せてくださるサチンさんは、これまでの日本企業との数々の取引経験と、マネージメント層として活躍した経験を活かしロヒア・コープで新たな事業を開始することになりました!

実動しはじめた『技能実習制度』を利用した人材育成・送り出しサービス

ビジネスモデルについて流暢な日本語で熱心に解説してくださるロヒア・コープ/ミタル・サチンさん
Palette編集部
現在の、ロヒア・コープではどういったビジネスが中心なのでしょうか?
ロヒアコープは、インドに本社をおく機械メーカーです。フレキシブルコンテナという砂のような砂粒のものを大量に運ぶ際に使用される製品を製造する機械を製造し、販売しています。日本を含む海外70ヵ国へ販売しており、海外拠点は、日本、米国、ブラジル、インドネシア、ロシア、アラブ首長国連邦にあります。

ロヒアコープで製造販売している円形ルーム製品

Palette編集部
うわ!迫力ですね!
はい。そして、これらの機械を取扱う技術者の研修にも力を入れています。カンプールに研修所を設け、農村出身の人材を集め、実務を中心とした研修を実施し、卒業生はインド国内、そしてロヒアコープの製品を工場で使用する海外へも採用されていきます。

Palette編集部
インドでの人材育成は、社会における課題かと思いますが、すでにロヒア・コープでは成功実績があるのですね!
はい。実は、卒業生が就職した企業からの評価が高く、ここから、ロヒアコープの機械を扱う技術者だけでなく、他業界で活躍できるインド人を育成し、日本へ送り出すというビジネスアイディアが生まれました。それが、「技術実習生送出し事業」につながっています。

外国人技能実習制度とは?

外国人技能実習制度とは、日本の企業において発展途上国の若者を技能実習生として受け入れ、実際の実務を通じて実践的な技術や技能・知識を3~5年間学び、帰国後、母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした公的制度。

今まで、インド人を対象とした技能実習制度は実行されていなかったが、2018年の3月からインド人も日本での技能実習生として受け入れることが可能になった。インド紙ヒンダスタン・タイムズによると《インド政府は技能実習制度を利用してインド人の若者30万人を日本へ派遣する計画を閣議決定。》

このニュースに対してインド人からは多くの反響があるものの、受け入れる日系企業側におけるインド人技能実習生の認知度が低いのが現状。

この制度を使った日本企業のメリット・デメリット

【メリット】【デメリット】
・人手不足を解消・外国人労働者とのコミュニケーションの壁
・若い労働力の確保・雇用手続きなどが煩雑?
・インドオペレーション現場で将来活躍する労働者をOJTで育成・実習制度のため、教えることも必要

具体的な業務内容

派遣前に一定期間、自社研修センターにて日本語及び日本文化の研修を実施
  • 日本語習得に力を入れ、日本での生活について理解を深める研修を実施
  • 厳しいスクリーニング制度を確立、日本文化や仕事の倫理に合う実習生のみを派遣
  • 研修センターと日本支社の連携で、日本の監理団体と受入機関に対する綿密なご支援をご提供
  • 技能実習制度の 3 年間、研修生の退職リスク軽減のための緊密なフォローアップを実行
  • 実習終了後の就職についてインド国内ネットワークを活用しフォロー
ロヒアコープでは、外国人技能実習制度を利用し、実習生の選定、育成、実習中のフォローアップなどをサポートしています!

引用元:ロヒアコープサービス案内より

外国人技能実習制度を使用した新サービスにおける今後の展望

Palette編集部
この新たなビジネスのミッションはなんでしょうか?
一つは、インドでは、どんなに熱心で勤勉な若者でも経済的な事情から、海外に行けないケースがたくさんあるので、そういう人たちの中から日本に合う人材を一人でも多く日本へ実習生として行かせてあげたい。そして、帰国したあとは自分の国の発展のために日本で学んだことを活かして活躍して欲しいです。

日本の品質の高さをインド人実習生に学び、吸収してもらい、インドに帰ってきて、自国のため、さらにインドに進出している日本企業の力となって欲しいです。

Palette編集部
実習後は、自国だけでなく、インドに進出している日本企業の人材としても活躍する可能性があるのですね?
はい。もちろんです。私はいつでも日印の発展のために何ができるかを考えています。最近は、特に沢山の日系企業がインドへ進出していますが、どの企業も現場の人材育成に苦しんでいます。それは、言葉の壁であったり、そもそも教育レベルが違うためでもあります。これらを解決する方法の一つとして、日本のやり方に合う人材を採用することをご提案しています。

その上で、日常会話程度の日本語を教えたインド人を外国人技能実習制度で日本に送り出し、そこで日本の職業文化やサービス・製品クオリティを修得できればどうでしょうか?ネイティブレベルとはいきませんが、日本語ももっと理解し、さらに話せるようになります。その実習生が、インドの日本企業の現場で、日本人とローカルスタッフの潤滑油のような存在として活躍することができます。

Palette編集部
すでに、このサービスに興味を持たれている日本企業はあるのでしょうか?
はい。いくつかの企業様には興味を持っていただいています。しかし、まだまだ日本企業様にこの制度を認知してもらうことから始めている段階です。実習制度のメリットについての理解を深めてもらうために、日印を頻繁に行き来し、実習生の受入先になっていただける日本企業様との関係構築に力を入れています。

同時に、インドに既に進出している日本企業様へもアプローチしています。どちらかというとそういった企業様のほうから強い関心を持っていただいています。 このような企業様とお会いして学ぶことも多いです。現在、お役に立てる具体的なサービスをいろいろと検討しています。それらについてもまたご紹介したいです。

最後に一言、サチンさんからメッセージを!

この『外国人技能実習制度』はインド国内でも、そして受け入れ先の日系企業でも認知と理解がまだまだ足りません。

今後の活動としては、もっと外国人技能実習制度について多くの方に知っていただくと共に、日本と合う、熱心なインドの若者に活躍できるチャンスを与えることができるように日系企業様からの更なるニーズの吸い上げ、新たなプランのご提案なども視野に入れています。

まとめ

今回は外国人技能実習制度を利用した人材育成・送り出しサービスを手がけるインド人ミタル・サチンさんにインタビューをさせていただきました。終始とても明るく、途中の日本が好きになったきっかけの問答では、涙されたり、とても熱意があり、ポジティブなエネルギーに溢れた方でした。

日本での就業経験や滞在経験もあることから、日本について深い知識があり、日本人を深く理解していることから、日本人の本音を聞き出すことがサチンさんのスペシャリティーだそうです。

インドでのローカルスタッフの人材育成にお困りの方、または将来、人員増員を視野に入れている企業様は一度サチンさんにご相談されてはどうでしょうか?サチンさんは日本語のみでのコミュニケーションも対応可能です!

Lohia Corp Limited(ロヒア・コープ)連絡先:
Sachin Mithal (ミタル・サチン)
sachin.mithal@lohiagroup.com
+81-(0)50-5806-1710 ※日本語対応可

 

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