現地採用からインド人パートナーと起業。自分に素直に生き、後悔をしない人生を送る。それが時代のニーズと流れを掴んできた力


今回はインド在住の日本人向けのレストラン予約サイト『KANPAI(カンパイ)』を、インド人パートナーと共同経営者として立ち上げに参画した麻生 素子さんにインタビューしてきました。現地採用から、インド起業に至るまでの経緯、サイト立ち上げまでのチャレンジなど、麻生さんのインド5年の歴史を語っていただきました。

過酷な就業体験から見えた自分に本当に必要なもの

Palette編集部
Q. 大学を卒業された後は何をされていたんですか?
大学を卒業した後、学生時代にアルバイトをしていたプロモーションビデオの制作会社で映像制作業務に4年間携わっていました。映像制作業界は、どの企業もかなり厳しい就業環境で寝る間も惜しんで働いていた記憶があります。

3日間連続でお風呂に入らずに現場に直行みたいなこともありました。この頃に、社内で突然起きる無茶苦茶なタスクをいかにハンドリングするか、処理するかという対応能力は、かなり養われましたね。

ですが、徐々に仕事のプレッシャーやストレス、葛藤が大きく上回って、「このままだと、映像の仕事だけじゃなくて業界ごと嫌いになる」と思い退職を決意しました。もともと映像が好きでこの業界に入ったのに、それを嫌いにだけはなりたくなかったんです。最後に気づいたことは、「自分が幸せじゃなければ、周りを幸せにすることなどできない」ということです。

Palette編集部
退職後は何をされていたんですか?

当時、とある著名人の影響で世界一周旅行をする人が増えてきていました。それまであまり考えたことのなかった世界一周が身近なものになったこともあり、気分を一新させるために、世界一周旅行をスタートさせました。

Palette編集部
それでは、インドも世界一周してる時に訪れたのが初めてですか?
はい。と言っても実は、もともとインドに行く予定は全くありませんでした。が、色々な人の話を聞くうちに「今行かなければ一生行かないかもしれない」と思い切って旅の最後に渡航しました。この旅行中に、南米のチリで後に月刊Chalo(インドの生活情報を発信するフリーペパー)を立ち上げる新舎春美さん(*1)と出会ったのも何かの縁だったと思います。

最初は、雨季のコルカタに到着したんですけども、道路も水浸しで洪水状態でとてもじゃないけど、観光どころではなかったです。その後は退職前から始めていたヨガを深めにリシケシへ向かいました。そこで見た本場のヨガにはすごい衝撃を受けましたね。よく日本でヨガは各地でやってますけど、インドの本場のヨガは、それまでやっていた日本のヨガとは比べ物にならないくらい真剣で深いものでした。

インドを好きになりはじめたのはそこからでした。これを皮切りにその後何度もインドを訪れるようになりました。ヨガだけでなく、宗教などカルチュアルなものが多いのでそこが、わたしにとっての魅力です。それから、インドは、自分が自然体でいられるところです。インド人に対して気は使わなくて良いので正直楽なんです。

そんなタイミングで、以前チリでお会いした新舎さんがChaloの編集に携わらないかと声をかけてくれました。

*1…株式会社リクルートで「ホットペッパー編集」営業を経て、インドでフリーペーパー事業を立ち上げ、月刊「Chalo」を月末に創刊、インド全土で月間7,000部を発行する。

Palette編集部
インドではどんな業務に携わっていたんですか?

業務内容は、編集、取材、執筆、校正、営業と一通りこなしていましたね。営業先のクライアントはほぼインド人が相手でしたが、英語でのやり取りは不自由なくできました。おそらく日本人コミュニティにも一切顔を出さなかったですし、何より世界一周していた時に、必要最低限の英語力が養われていたんだと思います。

毎日のように執筆、編集などがあって、かつそれらには締切というものがあります。もちろんですが、その期限が近づけば近づくほど仕事がハードになるんです。納期が過ぎれば一旦は仕事が落ち着くものの、また、次の締切が迫ってくるというアップダウンが激しい仕事だったと感じます。それでも計3年間 、Chaloでの勤務でしたが、自分ではやりきった感はありましたね。

予期しなかったインド起業までの急展開

(左)が共同経営者ラッシュミーラワットさん (右)が麻生さん
Palette編集部
それからまたどのタイミングでインドで起業までされたんですか?
退職後は、インドを旅行しようと思って観光のために戻ってきました。するとそれとほぼ同時に、Chalo時代に縁のあったインド人夫妻から声がかかり、現在の共同経営者であるラッシュミーさんが温めていた「KANPAI」のアイデアを聞きました。

「これを実現するためにはASOさんの力が必要だから」ということで、共同経営者のオファーをいただいたんです。もともと、のんびり旅行をする予定でしたが、まさかの展開で会社、そしてウェブサイト立ち上げの準備に関わることになってしまいました。

Palette編集部
ラッシュミーさんからのオファーをなんで受け入れようと思ったんですか?
彼女の熱いパッションですね。もともと彼女がこのサイトを立ち上げたいと思ったのは、観光やビジネスでインドを訪ねる日本人が、なかなかインドを楽しめていないという印象を持ったことがきっかけです。

せっかくインドに来るなら、日本人がすぐに快適で楽しい時間をインドで過ごしてほしいというラッシュミーさんの気持ちがあったからなんです。そういう言葉を外国人であるインド人から聞いたことが、良い意味で衝撃的で、胸に響きましたね。そこには、絶対にこのビジネスを成功させるんだという彼女の信念も感じました。この人なら絶対に信頼できる、一緒にやっていけると確信したのでオファーを受け入れる決断をしました。

Palette編集部
サイト立ち上げまでに一番苦労したこと、辛かったことは何ですか?
本当に色々と大変でしたね。実は、インド人のエンジニアの方にウェブサイトの作成を依頼していたんですけども、そのウェブ制作作業がなかなか進まなかったんです。ローンチ予定の直前になっても作業が1ミリも進んでいないということがあったり。

納期の直前になって、その制作会社から「9割できた!」とドヤ顔混じりに見せられたものは、見た目だけが出来上がってはいたものの機能的は5割程度しか動いていないもので。そこからは、インドの制作会社のオフィスに突撃したりもしましたね。

目の前でエンジニアの方に逐一指示を出し作業を依頼し、モニタリングしてました。予定日より大幅に遅れて、なお見切り発車の感はあるものの、なんとかウェブサイトのローンチにこぎつけました。

インドでのこれからの展望と就職希望者へのメッセージ!

Palette編集部
これからの展望を教えて頂けますか?
現在の運営している日本人向けレストラン情報サイト「KANPAI」を使いやすく改善して行くと同時に、日本人向けのレストラン予約だけではなく、日本人の生活がより快適になるようなサービスをもっともっと発信していきたいです。

Palette編集部
インド転職を検討している方に向けて一言お願いします。
私は、前職をやめたタイミングで偶然ラッシュミーさんからオファーをいただき、かつ彼女自身に魅力を感じたので、引き続きインドで働き、起業をすることに決めました。ですから、あまり、参考にはならないかもしれません。

ただ一つ言えることとしては、先入観を持つことなく来て欲しいです。インドでは特に日本では起こらないようなことが普通に起こります。ですから、そういうのも受け流すことができるくらいのフラットな気持ちが大事です。

共同経営者のラッシュミーさんと。スクリーンに移るのはオープンした日本語レストラン情報予約サイトKANPAI

まとめ

麻生さんは、このインタビューの中で、「タイミングよくお声がけいただいた」というフレーズをよく口にしていました。ですが、それは偶然ではなく、麻生さんが仕事も人生も全力で取り組み、真剣に今を楽しむ魅力に惹かれた人たちが、麻生さんがフリーになるタイミングを待っていたのではとも感じ取れました。

ライフプランや、キャリアプランを立て、実行する力も一般的には重要とされますが、今を楽しむ力、今の流れを掴む力も人材として高い能力であるように感じます。

ダイバーシティ(多様性)の国と言われて久しく、まさにその言葉の通り、インドには異なる言語、文化、宗教、ライフスタイルが複雑に折り重なり、それぞれが強くその個性を主張しながら、他者を受け入れ共存しています。麻生さんのように自然体でありながら、強い「個」を持っている人は、ここインドで輝ける人材モデルの1つのように感じます。

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