【海外就職】大手企業からベンチャー企業のエンジニアへ
Vol.1 ~Terra Motors India~


今回は新たな企画としてインドで活躍・奮闘する若手人材にフォーカスを当てていく、「輝け!次世代(ネクストジェネレーション)」略して 輝け!ネクジェネ!をスタートします。

記念すべき第一回目はインドでものづくりを行うベンチャー企業・Terra Motors Indiaのエンジニア・高橋さんです。大手自動車メーカーからものづくりベンチャーへ転職し、そしていきなり初海外勤務となった高橋さんにどんな困難が待っていたのか?!そのストーリーを早速見て行きましょう。

輝け!ネクジェネ!Terra Motors India/エンジニア 高橋さん

日本発のものづくりベンチャー Terra Motorsとは?



-まず初めに、貴社の事業を教えて下さい

テラモーターズはインドでは電動リキシャーという電動三輪の生産をしてます。2015年夏から生産と販売を開始しています。現在ではマネサールとコルカタ、アッサムに工場があり、月間約10001500台の生産を行っています。今後も製品ラインナップと販売のネットワークを増やして販売の拡大を行っていきたいと思っているところです。

-電動リキシャ―のマーケットについてもお伺いしたいのですが、競合はどのくらいあるんですか?

日系では弊社だけですね。地場の企業は200~300社、その地域ごとにブランドが沢山あります。インド全体で販売を行っているのは現状は弊社以外は数社しかありません。

-そんなにいるんですね!競合が多い中で御社の強みを教えて下さい。

お客様から日本の会社だから、日本のクオリティを期待していると言われます。MarutiさんであったりHondaさんのようにクオリティを期待されているのは強みの一つだと考えています。
私も地方のマーケットへ行ってディーラーと話しながら商品の説明や競合の製品を見て、
「こういう部分がマーケットで求められている」というニーズを理解して自社製品に反映できることも強みだと感じています。


-えっ?エンジニアである高橋さんも自らマーケットに行くんですか??

実際、前職ではあまりなかったのですが、マーケットの感覚というのは営業から言われたことだけですべて分からず、実際に行ってみてわかることが多いです。これは車体を開発するにあたって重要なファクターだと思っていて、営業担当者との議論をより深められるのでマーケットには行くようにしています。

このFMやUSBソケット(左)、ひじ掛けの迷彩柄(右)なども高橋さんがマーケットに出たからこそ掴んだニーズだ。


 

 

 

インドでのビジネス状況とは?

-なるほど。実際今ビジネス的にはいかがでしょうか?順調ですか?

そうですね。2015年に立ち上げた当初は月に数十台から百台強というところでしたが、去年から数百台、千台を超えてきています。今後もさらに伸ばしていければと思っています。

―ちなみに現在シェアはどのくらいですか?

2番手くらいのところまできていて、マーケットの感覚値からすると15%くらいのシェアですね。

2015年にスタートしてから2年でそこの位置につけているのは素晴らしいですね。

何もわからない中でやっていたので、最初はかなりどん底だったんですが、今は自分たちのものづくりや販売そのものが形になって、数字につながってきています。そこは非常に面白いと感じているところです。

高橋さんの海外就職サクセスストーリー



―では続いて高橋さんご自身のご経歴についてもお伺いさせて下さい。

私は今29歳で、経歴としては大学時代は電気工学を専攻していてEV(電気自動車)のモーターを研究していました。1社目は大手自動車メーカーに入社してEV×開発をしたいと思って入社したのですが、エンジン×生産に配属になったんです(笑)真逆のところに配属されてしまい、何でこんなところ配属なんだって思いました。


-生産管理だったんですよね?

いや、生産管理じゃなくてラインで働いていました(笑)ラインで働いて現場で生産のことを理解してから生産管理に行くのが部署の方針だったので。

エンジンのことも全く分からなかったので、現場の人と一緒に働いてました。最初はほんとにわからないのでミスの連続で、怒鳴られることも多々ありました。でも本当にいい経験になりました。現場で物を触ってどんな風にものづくりがされているかがわかり、それを実際にものづくりに活かしていけることができます。普通であればそういう人と一緒に働く機会もないので一緒に働けたことも良い経験になりました。

―そういう方々と働く中でどんなところが良い経験になったのですか?

なによりも期間工の方たちは人生に対して明るい方が多いです。普通だったら2年とかで仕事が無くなったら不安になると思うんです。でもその方たちはそういう不安はなくて、もしこれで仕事なくなっても楽しければなんとかなるって感じなんです。その人達に刺激されてというわけではないですが、別に仕事辞めても死ぬわけじゃないと思えたところは転職するときのきっかけになりました。 日本は大企業だとレールがあってそれに沿って働いて、逸れたら終わりみたいなところがあると思うんです。私もその考えでいたんですが、期間工の方たちの話を聞いて、やりたいことをやって逸れたら軌道修正していく。そういう考え方、人生もあるなって思えました。そこで非常に柔軟さや価値観の違いにも気づけました。

大手からベンチャーへの海外転職/やりがい>不安

―どういった経緯で転職しようと思われたのか詳しく教えていただけますか?前職の大企業では最初は希望通りの部署でなかったとしても、長期的に見たときにやりたいことができる環境はあったのではないですか?

一つはやはり大学のころからEVの開発をやりたいと思っていたので、前職の時も毎年自己申告制度で希望は出していました。上司にも言いながらやっていましたが、なかなか希望は通りませんでした。3年は働こうと思っていたので、3年経っても自分自身がEVをやりたかったら転職を考えようと思っていました。そして、3年過ぎた頃「やっぱりEVをやりたいな」と思い、ちょっと転職活動をしてみようと「電動エンジン」で探したらTerra Motorsを見つけたので、話を聞いてみようと思い応募しました。
Terra Motorsの選考もすごく早く、担当者から1時間後くらいに電話がかかってきました。少し話が聞きたいという気持ちで応募したので正直驚きました。「今からお話できますか?」からはじまり、電話でざっくばらんに話して、そのまま面接、次の日には当時の技術責任者の方と面接して、さらにその次の日に社長と面接しました。怒涛のスピードで選考が進みましたね(笑)


―すごいスピードですね!逆にそれだけ早いと他の企業を見たいとは思わなかったのですか?

他の企業も見たいなとも思いましたが、少しTerra Motorsのこと調べたら結構面白いことやっていたので、日本にもこうやってベンチャーでものづくりをやろうとしている会社があるんだと思いました。転職活動する前はTerra Motorsのことは全然知らなかったんです。しかも、その時の社長のキャッチフレーズが「第二のSONYHondaを作りたい」みたいなのを掲げていて、こんな社長いるんだ!面白い!と思って入社しようと決意しました。

―大手からベンチャー企業に転職ということには不安はありませんでしたか?

不安がなかったというと嘘になりますが、自分のやりたい仕事(色々と捉われず、ダイナミックに仕事ができる)と聞いていたので、実際は不安よりも期待の方が大きかったです。

エンジニアの枠を超えて仕事をする

―日本には生産拠点はなかったんですよね?インドで働くことには抵抗はありませんでしたか?

はい。海外で働くことには抵抗はありませんでしたが、インドは他のアジアの環境レベルから2段階くらい落ちるよと社長から言われてました。たまたまインドで立ち上げて、その技術担当で行ってくれと言われていたので選べませんでした。



―実際仕事をやってみてどうですか?

仕事は裁量権が大きく、非常にダイナミックですね。自分がこうしたいと思ったことを提案すると、やり方は自由でいいからアウトプットだけしてと言われます。実際、今車体の開発も自分で中国に行って製造パートナー(ベンダー)を探し、図面も自分で描いて、サンプルを作ってもらい、出来上がったらそれをインドに持ってきて、売る。という、かなりダイナミックな仕事です。月に数百台、千台と売れて、売上が上がっていくのを目の当たりにできるのはすごくおもしろいと感じています。

―普通のエンジニアだったら、やれないところまで関わっているんですね。

そうなんです!そこが大企業との決定的な違いだなと思いますね。もっとビジネスの側面もやらなければならなくて、ベンダーとの交渉や契約関連などもあります。実際にこの自社工場も私が探してきたんです。リース契約やラインも自分たちで図面を描いて設置したりしました。

―今まではそういう経験はなかったんですよね?

ありませんでしたが、それは前職の製造現場での経験が活きています。こうすればいい!っていうベースがわかっていたので、前職の経験から学んだことは大きかったんだと実感しました。この会社のエンジニアはエンジニアとは言いつつも、従来経験できない部分を学べたり、自分が良いと思ったこと実行に移せます。その分、結果が出なかったら責任を問われます。良くも悪くもダイナミックなんです。 

失敗体験について

―今までの失敗体験を教えてください。

一番最初は大手から転職してきたので、日本の製造業のカルチャーでものづくりをしていました。インドで最初に工場を立ち上げることになってワーカーを集め、ラインを作り、生産を始める際に日本基準で甘く考えていました。といっても100%ではなく、インドでも80%くらいはできるだろうと思って進めていましたが、実際に日本とインドのワーカーでは技術的にかなり差がありました。出来上がった商品をそのままお客様に出したら、ものすごく品質不良が出てしまったんです。例えば、取り付けのボルトがついていない、傷が沢山ついている、とかです。そこでやっと違いに気づき、インド人をマネージメントする難しさを知りました。他の日系メーカーからも多くを学びました。例えば、日本では最後だけ品質チェックをしますが、インドでは各工程ごとに細かく品質のゲートを設けて、その国に合わせたものづくり工程を変えていかなければいけないと気付きました。

日本とインドの違いも痛感したわけですね。

はい(笑)こうやって学びながら改善していくことで販売台数が伸びたり、クレームもなくなりました。最初はほんとに大変でした。物もない、人もいない。工場はボロボロ。という状況だったので、工場の整備からはじめて、ラインを立ち上げ、人を教育することを短期間でやらなければいけませんでした。日本であれば人のつながりがあって、困ったときに聞くところや頼れるところもわかりますが、インドは本当に初めてで何もわからなかったので、工具を探すだけでも一苦労でした。ローカルマーケットに行って探したり、そういうところから始めました。今ちゃんとやれているのはこの2年間のノウハウは着実に蓄積し、改善・開発スピードにつながっていると思います。



このカラーはアグラ近辺で指定されているカラー。タージマハルに行けばTerra Motorsのリキシャ―に乗れるかも?

今後のマーケット環境

―モディ政権の政策で今後のマーケットは追い風ですね。

そうですね。二輪や三輪のEV化もモディ首相の構想に入っているので、三輪がある程度軌道に乗ってきたら二輪マーケットも取っていければと思っています。インドは成長著しく政策の追い風もあるので、EVのマーケット自体も今後は成長していくと思います。実際にコルカタ近郊ではよく見かけますが、デリー近郊ではTerra Motorsの電動三輪は見ないことが多い。「あ!Terraの電動三輪だ!」と皆が知っている製品を作り続けていきたいです。

夢~世界で愛し続けられるEVを世の中に送り出す~

―最後に高橋さんが今後のTerra Motorsの中でどんな風に活躍していきたいかなどキャリアビジョンについて教えて下さい。

今はインドだけでなく、ネパール、バングラディッシュ、ベトナムの開発や品質管理も担当しています。インド以外の海外とのやりとりが増えてきたので、そういう人達と切磋琢磨していきたいですね。また、電動三輪だけでなく、バジャージ(いわゆるオートリキシャー)の電動版の開発を進めていて、今年中に電動へコンバートしていこうというプロジェクトを推進したいと思っています。その後はアフリカ、スリランカ、中東など新たなマーケットへ進出し、世界で「電動二輪・三輪ならTerraだよね」と言われるようになりたいです。

HONDAのカブやVWのビートルのような世界で愛し続けられる自動車をEVで送り出すというのが私の夢なので、それを是非ここで成し遂げたいと思っています。

最後に



大手からベンチャー企業へ転職し、日本とインドのギャップに苦しみながらも、思いっきり自分のやりたいことをしている高橋さん。

今後の活躍が益々期待できる今回のインドで見つけた「輝け!ネクストジェネレーション」

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次回の「輝け!ネクジェネ」も乞うご期待!