インド就職で見つけた仕事へのやりがい。挫折を乗り越え、好きを極める

初めてのインド就労で挫折を味わいながらも、この国に魅了され、インド国内転職に挑戦しキャリアステップを着実に踏んでいるYさん。やりがいを感じられる仕事との出会い。インド人男性との結婚。インドで働き、生活をする楽しさと難しさについてお話を伺いました。

 

3ヶ月で挫折した最初のインド滞在

初めてインドに訪れたのは、大学卒業後でした。友人達が就職先を決めていく中で私は進路を決めきれずにおり、卒業後はインドのジャイプールにあるNGOでインターンすることにしました。

 

なぜインドだったのか

大学時代に行ったチベットが忘れられず、いつかまた行ってみたいと思っていました。海外インターン斡旋会社が提供している就労先で、一番チベットに近いところがインド・ジャイプールでした。

楽しみにしていた挑戦だったのですが、当時はインドの生活環境に慣れず、インド人スタッフたちとのコミュニケーションもうまく取れず、3ヶ月ほどで辞めて日本に帰国しました。

インドから帰国し、派遣社員として駅員の仕事をしていました。5年ほど働いて30歳を目前にしたとき、このままではいけないと思い立ち、退職をすることにしました。

挫折を味わったインドがやはり名残惜しく、もう一度インドへ渡航することを決めました。

 

リシュケシュで見つけた好きなインド。再チャレンジを決意

ヨガトレーナーの資格を取ろうとインドのリシュケシュに行くことに決めました。

200時間のコースのため、1ヶ月ほどインドに滞在しました。

リシュケシュはヨガの聖地でもあり、外国人が多く訪れる観光地でもあるため、ジャイプールのときのようなカルチャーショックもなく、生活面での問題もありませんでした。広いインドでは、都市によって食べ物や文化が大きく異なります。自分に合ったインドを見つけられたようで、とても嬉しくなりました。この時、インドへの再チャレンジを決意しました。

すぐにインド就職についての情報収集をはじめ、ITソリューション開発会社に就職が決まりました。インドの現地法人に出向し、日系企業にITエンジニアや、インド人通訳の派遣などを担当しました。

インド 寺院

 

やりがいを感じる仕事と出会い、インド人のこだわりで成長させられた。

生活にも慣れた頃、自身がグルガオンのロジスティック日系企業のインド法人に出向することになり、その後出向先法人の現地採用となりました。

出向先は、国際・国内物流、工場の機会据付やメンテナンス、倉庫内作業などを事業としており、私は総務として駐在員のサポートや、購買、事業立ち上げに従事しました。

バックオフィスの様々な業務を担当していく中で、契約書の作成をはじめとした法務に面白さを感じ始めました。契約についてのお客様との会議でその場の流れを読みながら交渉をする駆け引きや契約書に落とし込んでいく業務は、責任を伴いますがやりがいも感じました。

契約書に対する意識は日本人よりもインド人の方が強いため、内容を隅から隅までしっかりと読み込んでいく必要があります。その理解を元に、お互いの要求を説明し、着地点を探していくという駆け引きに面白さを感じました。インド人の仕事に対するこだわりが、私を成長させてくれたと思います。

はじめは総務としての業務に留まっていましたが、だんだんとお客様との交渉も任せてもらえるようになりました。勢いで飛び込んだインド就職でしたが、成長ややりがいを感じ、責任を持って一生懸命働ける仕事との出会いでした。

 

やりがいを感じた仕事を極めるため、インドでキャリアステップ転職。

就職して約4年、法務の仕事にやりがいを感じていく中で、法務業務を極めたいと考え始めました。

インド国内での転職活動をはじめ、チェンナイにある日系会計事務所に現地採用として就職が決まりました。

弊社は、インドの日本企業の管理部門サポートを事業とする、日系会計事務所です。市場調査、法人設立、記帳代行、税申告、会社法コンプライアンス、その他会社法・労働法関係等のサポートやアドバイザリーを提供しています。

入社当時は、法務コンサルタントの募集はありませんでしたが、法務業務への熱意を組んでいただき希望のフィールドでの採用が決まりました。前職で感じたやりがいを大切に、妥協せず、希望業務へのこだわりを持って行った転職活動でキャリアステップが実現しました。

 

仕事はOJT。学びながら経験と知識を身につけていく。

現職の事務所に入社した当初は、社長以外の日本人は私を含めて2人でしたが、現在は、日本人6人。インド人スタッフは25人程までに増え、規模が拡大しています。

私が従事している法務コンサルタントという仕事は、会社法や労働法を中心に、日系企業のお客様とインド人専門家、会計士・弁護士・会社秘書役等との間に立って、双方のスケジュール管理や意向を伝えるなど、サービスをスムーズに提供するための調整をしています。会社法に関しては、企業コンプライアンスの代行や、現地法人設立の申請代行。労働法は、雇用契約書、就業規則作成など、雇用関係のトラブル対処などを行っています。

また、日系企業のインド進出の足掛かりとなるような市場調査や関連のアドバイザリーも行っています。

大学では国際関係学を専攻していたため、専門的な法律の勉強をしておらず、前職や現職での実務を通しOJTで知識と経験を身につけてきました。今では、インドの基本的な法律の知識を身につけ、責任とやりがいを持って働けています。

また、インド就職あるあるとして、インド人の方とのコミュニケーションの問題や、期限通りに業務が遂行されないといった問題がよくあげられます。しかし現在の事務所では、会計事務所ということもあり、一緒に仕事をする方たちは日系ビジネスに慣れている会計士などで、比較的コミュニケーションがとりやすい人が多いと感じています。

 

法務業務でキャリアステップを実現した今、業務を通じて感じるやりがい。

日本のお客様がインドで事業を行うにあたり、本社側の意向とインドの法律や慣習とのバランスを取ることは非常に重要です。

日本の本社とインド側の架け橋となり、バランスの取れた具体的な提案ができたときに、一番やりがいを感じています。それらの業務に関わる中で、日系企業が抱える課題について考えたり、法律の知識を日々勉強できるのもとてもありがたいことだと感じています。

一方で、インド側に、日本のお客様の感覚やリクエストを上手く伝えられなかったり、それぞれの認識のギャップを整理できないこともあります。日印の商習慣や文化のギャップをうまく埋められず、お客様の期待にうまく応えられないときには、自分の経験不足を痛感します。会社法・労働法についても、今後さらに勉強していきたいと思っています。

 

8年間インドにいるYさんの目に映るインドとは

インドに来た当初は、インド人に対してイライラしてしまったとき、相手に対して批判的な感情を抱いていました。しかしインドでは、個人のバックグラウンド、置かれた状況、文化的な違いなど、日本では考えられないような事情が多く存在します。長く生活していて、みんなそれぞれの事情があるのだということがやっと分かってきました。

多様性の国と言われるインドですが、人々のカテゴリーが多い一方で、そのカテゴリーの中では個性がない、という印象を受けます。カテゴリーとは、コミュニティ、階層、ステイタス、経済的バックグラウンドなどのことで、それぞれに性質があり、その枠内に収まるよう、突出した個性を出さないようにしているように見えます。

インド 結婚 花

 

インドの方とご結婚されていますが、プライベートな時間の過ごし方は

夫とは2019年に出会い、2022年2月に結婚をしました。はじめから結婚を意識していたわけではありませんが、文化的な違いもあり、先に進むための選択肢としては結婚以外になかったというのが正直なところです。

夫の家族はバンガロール在住のタミル人です。

元々は同棲をしようと思っていたのですが、タミルナドゥ州はインドの中でも比較的保守的で、結婚前に同棲するという概念がありません。そんな中、夫の父親が突然亡くなり、長男である夫はチェンナイからバンガロールの実家に戻ることになってしまいました。

それを機に、二人で話し合いの末、結婚することに決めました。それに伴い、私も弊社のバンガロール事務所に移籍させてもらいました。

現職では元々の社風もありますが、コロナをきっかけに自由な働き方が認められ、休みや出勤に関しても厳しい縛りがなく、非常に働きやすい環境だと感じています。

とはいえ、今はとにかく業務量が多く、毎日仕事をこなすのでいっぱいいっぱいになっており、なかなか趣味などに割く時間がありません。これからは、もう少しプライベートも充実させていけたらと思っています。

野良犬の保護活動に興味を持っているので、自由な時間ができたら野良犬のレスキューボランティアができたらいいなと考えています。

 

最後に、インド就職を考えている人にメッセージをお願いします。

インドはとても面白い国だと思います。また、現地採用として働く方は、とてもアクティブで生き生きと仕事をしている方がたくさんいます。

数年働いてみて合わなければ、戻ることはいつでもできるので、やってみたいと思ったらまずチャレンジしてみてください。

 

編集後記

はじめてのインドで挫折をしながらも、インド就職でやりがいの感じる仕事を見つけたYさん。さらに、キャリアステップ転職に成功し、移住先のバンガロールでの新たな生活が始まりました。

「インド」というキーワードが気になっている方は、調べるところからでもいいので、是非動き出してみてください!パレットを運営するJAC Recruitment Indiaでは、無料就職相談、求人ご紹介だけでなく、キャリア構築のご相談も受け付けています。いつでもお気楽にご相談ください。

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