インドホワイトカラー人材紹介市場の動向【2020 年 10 月~12 月】

企業の経済活動が徐々に戻り、コア人材の採用活動が再開

JAC Recruitment India 小牧

JAC Recruitment インド法人社長 小牧 一雄

2020 年 3 月以降インド全土のロックダウンにより企業の活動がほぼ停止し経済活動が大幅に落ちこみましたが、7 月以降は段階的にロックダウンの規制が緩和され徐々に経済活動および個人消費が回復しました。経済状況を判断する一つの指標となる自動車販売台数をみると、2020 年 9 月以降は昨年の同月比で約 40%近い伸び率となりました。

新型コロナウイルスの感染状況については、1 日当たりの新規感染者数がピークであった 9 月の 10 万人台の状況から、12 月には 3 万人台まで減少。学校などの教育機関は依然として再開の目途が立っていませんが、ショッピングモールなど大型商業施設の営業再開、メトロの運航などにより第 2 波の感染拡大の懸念はありますが、このまま新規感染者数が減少し続ければ、景気回復傾向の持続が期待できる状況にあります。

企業の採用動向

ロックダウンの影響により今後の事業再開や行政回復の見通しが立たなかったことから、80%近くの企業が採用活動を保留した時期と比べ、10 月以降は徐々に採用活動を再開する企業が増え、対前期比の求人数は 9%増となりました。採用動向として顕著であったのが、一時日本に帰国中の日本人が多い中、現場とのコミュニケーションで祖語が生じ、特に経営層と現場とのギャップを軽減するための日本語力を持つインド人の採用や、製造管理や品質管理に関連するポジションの採用活動を再開しています。
一方で、日本人の採用については新型コロナウイルス感染拡大前と変わらず、ほとんどの企業が、候補者とオンライン面接を重ねながら入社のタイミングを調整するスタイルを取っています。特に管理部門に関してはリモート業務であっても支障をきたさないため、一時的に日本本社で引継ぎ業務を行い、新型コロナウイルスの状況を見て、再度渡印するなど柔軟に対応しています。

求職者の動向

新型コロナウイルスにより企業に頼らないキャリア形成を考え、海外での就業を希望されている候補者が増加傾向にありました。特に経済成長の著しい環境に身を置き、希少価値の高い人材になりたいと考え、ビジネスで英語が用いられているインドを就職先の国として考えるアジア周辺国の候補者による登録が増えています。一方で、インドでの転職や就職には新型コロナウイルスの感染状況やビザの取得状況についても考慮する必要があり、「状況をみて転職時期を判断する」と、慎重に状況を見ながらインドでの就職・転職に向けてじっくりと準備を行っている傾向が多く見られました。

▼各国アジアトレンドについては下記よりご覧ください。
https://corp.jac-recruitment.jp/press/info/210127.pdf

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