これが本当の個性派ぞろい!インドの神様5選!

今回はインドを語る上で忘れてはいけない、ヒンドゥー教の神様についてお話します。日本では神様に興味がないというかたも、個性的な神様やその独特な宗教感の虜になるかもしれません!さらにこれを読めばインドを知れるだけでなく、インド人との会話にも花が咲くこと間違いなしです。

ヒンドゥー教とは

まずヒンドゥー教とは、何でしょうか。ヒンドゥー教はインド古来の民俗的な宗教をまとめて名づけたもので、明確な体系をもつ宗教というよりむしろ、生活の制度、慣習、風習に関連するしきたりと言われています。例えば菜食主義や非暴力、などがそのしきたりとしてあげられます。また開祖はおらず、多神教であることも特徴です。インドでは人口の8割を占めており、世界においても人口では第三位の宗教なんです。

神様大好き、インド人!

インドにいると意識せずとも必ず見かけるもの、それが神様グッズです。住宅街の階段にある神様の置物。ローカルマーケットのお店に所狭しと張られた神様のポスター。社内に飾った神様の置物。インド人の日常生活に神様はしっかり根付いているようです。

グルガオンにあるこちらのローカルマーケットでは、神様のポスターがずらりと飾られています。もちろんこちらの1店に限らず、他のお店でも同じようにポスターが張られていました。ちなみに上のポスターから見るに、こちら店主さんはインド三大神のシヴァがお好きなようです。(青い体をしているのが、シヴァです)


タクシー車内にある神様の置物。筆者はこれまでインドにて、20~30回タクシーを利用しましたが、社内でこのような置物を見つけることが多くあります。社内で神様グッズを見かけたときは、こちらからその神様の名前を当ててみると「こいつ意外と分かるじゃないか。」と言った様子で、喜んでくれることが多いです。

子供にも神様の名前を!
神様大好きインド人。なんと自分の子供にも神様や神話に関係する名前を付けることが珍しくないようです。今回確認できただけでもなんと、shivやkritiなど1300以上の神様の名前もしくは神話に由来する名前が存在しました。

これだけは知っておきたい、神様5選!

インド人ですら数が多くて把握できない、というインドの神様たち。(ウェブ上で名前が確認できたのは、40体でしたが、インド人の話では全部で数百体いるとのことです)

基本的にはブラフマー(創造神)、ビシュヌ(維持神)、シヴァ(破壊神)という3体が、世界を形づっている三大神とされています。またその他にも、ヒンドゥー教では、ユニークな神様がたくさん存在します。以下ではその中から、インドで人気の高いイチオシの3体を紹介します!

シヴァ


まずはインド三大神から、シヴァをご紹介。シヴァはブラフマー(創造神)、ビシュヌ(維持神)含む三大神のなかでも、人気の高い神様です。その理由は、シヴァの絶対的な力にあると思われます。

シヴァは世界の終わりが来たとき、その世を破壊し新しい世界を創造する神様です。そのためシヴァが踊れば世界は揺れ、シヴァが怒ればこれば世界は破壊されてしまうのです。さらにシヴァの額には第三の眼がついています。この眼が開くと、灼熱の炎により、すべてが焼き尽くされてしまうというから驚きです。

またシヴァの乗り物は牛ですが、これがインドで牛を神聖なものとして扱う由来であると言います。これはヒンドゥー教における、シヴァの存在の大きさが知れるお話しですね。

ヴィシュヌ


続けて同じく三大神から、ヴィシュヌを紹介します。ヴィシュヌのすごいところは、10の化身(アヴァターラ)を持っていることです。ちなみにこの「アヴァターラ」という言葉は、某映画の語源にもなっています。ヴィシュヌは世界を維持するため、時には人間、時には魚や亀にまで姿を変え、人々を救っています。


魚となって洪水から人々を救うヴィシュヌ様

ガネーシャ


日本でもおなじみ象の神様ガネーシャ!そんなガネーシャはインドでも外せない、大人気の神様です。その名はサンスクリット語で、「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味しています。成功と繁栄の神様として、インド人に慕われています。

ガネーシャと言えば何といっても印象的なのが、“象”であるということ。“なぜガネーシャは象の頭をしているのか?と不思議に思ったことはありませんか?実はこれにもきちんと神話として語られている理由があるんです!

~象のガネーシャ誕生物語~

”ある日ガネーシャの母パルヴァティは、入浴中お風呂の扉を守るために1人の男の子を作りました。この男の子そこが、ガネーシャです。

ガネーシャはさっそく、母パルヴァティの命令に従い、入浴中にドアを守っていました。するとそこに、パルヴァティの夫シヴァが帰ってきます。帰宅したシヴァは部屋のドアを開けようとしますが、ガネーシャは母の命令を守り、その場を離れませんでした。するとそれに怒ったシヴァはなんと、自分の息子であると知らず、ガネーシャの首を切ってしまいます。

その後お風呂からでたパルヴァティは、傷ついたガネーシャを見て驚き、シヴァにガネーシャが生まれた事情を話します。事情を知ったシヴァが、ガネーシャを何とかしなければと思ったところ、、一体の象を目の前を通りました。するとシヴァはその象の首をきり、ガネーシャの人体とくっつけ、生き返らせたのでした。”

これが、すなわち象のガネーシャの誕生です。誤って首を切られたガネーシャの体に、偶然着けられたのが象の首だったということですね。ツッコミどころ満載の展開ですが、何だかこのお話し、“何でもありのインドらしい”ともいえます。日本でも認知度の高いガネーシャですが、なぜ彼が象なのかを知っている日本人は少ないでしょう。ぜひこのお話し、お友達にもお話ししてみて下さい!

パルヴァティ


お次は先ほど少し触れたガネーシャの母、パールヴァティについてお話します。彼女は絶世の美女として、人気があります。またヒンドゥー教の三大神・シヴァの妻ということで、シヴァと一緒に描かれることも多いです。

パルヴァティのここがすごい!
パルヴァティのすごいところは、何といってもその二面性です。パルヴァティは時より、「ドゥルガー」「カーリー」といった別の人格に姿を変えることがあります。特にこのドゥルガーとカーリーは、それぞれ“戦いと勝利の神”、“殺戮と闘争の神”といった、非常に異なった性格を持ち合わせています。パルヴァティの表の顔がドウゥルガー、裏の顔がカーリー、と言っても過言ではないでしょう。


ドゥルガー 戦いと勝利の女神


カーリー 殺戮と闘争の女神

ハヌマーン


ハヌマーンはインド二大叙事詩の一つ「ラーマヤーナ」に登場する、サルの神様。風の神から生まれたハヌマーンは、不死の神様として人気を誇っています。

そして皆さん上の写真を見られた際、“ハヌマーンの左手にあるものは一体何なのか?”と気にはなりませんでしたでしょうか。じつはこれ、山なんです。「ラーマヤーナ」のお話には、これに関する逸話があります。ラーマ王子の弟のため薬草を取ってくるよう命じられたハヌマーン。しかしどれが薬草だか分からなかったので、薬草のある山ごと王子の弟へ届けることにしました。その時の様子を表しているのが、上の写真です。

またハヌマーンは西遊記「孫悟空」だとも言われています。確かにラーマ王子のお伴である力持ちのハヌマーンと孫悟空には、似ている点も多いように思えますね。

実は日本にも伝わっていた、ヒンドゥー教の神様


過去にインドから日本に仏教が伝わった際、インドの神様も日本に伝わっているのをご存知ですか?調べたところ、少なくとも日本には20以上の、インド由来の神様たちがいるようです。今回は特に、日本でもおなじみの神様である弁天、大黒天、毘沙門天の由来についてご紹介します。

弁天サラスヴァティ
ともに芸事の神様として親しまれています。日本では江ノ島、竹生島、宮島の日本三大弁天が有名です。江の島にある銭洗弁天など実際に行かれたことのある方も多いのではないでしょうか。

大黒天シヴァ  
インドにてシヴァは、世界の終わりが来た時に宇宙を破壊して再生させる、“破壊神”として知られています。このシヴァの分身であるマハーカーラが仏教に入り、さまざまな御利益をもたらす仏とされるようになっていったのが、シヴァから大黒天が生まれた経緯です。

毘沙門天クベーラ
インドでは財運をもたらすとされているクーベラ神が、日本に伝わり毘沙門天となりました。

その他にもインドラ→帝釈天、ラクシュミー→吉祥天、ブラフマー→梵天などなど。はるか昔インドから中国を経由して伝わった訓えや神様が、今でも日本で姿や形を変えながら存在しています。

明日に役立つ、ヒンドゥーの教え

ここで最後に明日からの生活に役立つ、ヒンディーの言葉を3つ紹介したいと思います。

①Dig your well before you’re thirsty.
のどが乾く前に井戸を掘れ。

➁Waste makes want.
浪費こそが物欲を生じさせる。

➂They who give have all things; they who withhold have nothing.
与える者はすべてを手にする。与えない者は何も手にしない。

➂に関してヒンドゥー教では、自分の首を切ってその頭と血を飢える者に与えた、「チンナマスター」という神様まで存在します。(チンナマスターの画像は、グロデスクな要素があるため割愛します。)ただヒンドゥー教では”贈与の気持ち”を大切にいていることが、上記のような言葉の由来につながっているのではないかと思います。

まとめ

今回はヒンドゥー教の神様についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?インド人にとっての神様の大切さから、神様にまつわる逸話、日本との繋がりまで、お話しさせて頂きました。多くの日本人にとって、宗教信仰は馴染みの薄いものですが、ユニークなインドの神様のなかになら、あなたの興味に合う一体を発見できるかもしれません。インドに来たらぜひ、インド人と神様の話も楽しんでみてくださいね。

 
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