「インドで働く人」インタビューシリーズ。今回はKDDI India Pvt. Ltd.で現地採用として働く中井さんにお話をお伺いしました。インド生活ももうすぐで6年!すごいですね。
お話をお伺いする中で驚いたこと。実は、中井さん、インドに就職するまで、英語と海外に興味がなかったそうです。今では、インド国内にとどまらず、週末には海外に足を伸ばすほど、旅行が趣味?いや生活の一部になるほどになったとか。
インドを生活する場、そして働く場選んだ理由やインド就職のメリットなどについてお話しいただきました。
「挑戦」が動力。エンジニアから営業職へのキャリアチェンジ
インドへ来られたきっかけは何ですか?
積極的に就職活動をしたというよりは、知人に縁を繋いでもらったという感じです。
東京のIT会社を4年で退社した当時、KDDI India Pvt. Ltd.に内定が決まっていた知人の紹介で、日本出張に来ていたインド現地法人の人事担当の方と面接をしました。その後、採用決定していただき、現在に至ります。
元々、職へのこだわりはあまりなく、やったことがないことに挑戦したいという精神が軸にあり、システムエンジニアから現在の営業職へ転職を決めました。これまでの経験を生かすというよりは、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが強かったです。
実は、営業職について事前の説明はあったものの、実際にどんな仕事をするのかイメージが湧かなかったのは事実です。「行けばなんとかなるだろう。」という漫然とした気持ちでインドに来てしまいました。
インドという国で働くことへの不安はありましたか?
ただ、インドだから不安だったとかではなく、足を踏み入れたことがない海外での就職に対する不安でした。ですから、インド就職に対しての壁はそこまで高いものではありませんでした。知人に紹介してもらった国が、例え違う国だったとしても、挑戦していたと思います。
実は大学時代に外国語学部でウルドゥー語(パーキスターンの国語、インドの公用語のひとつ)を学んでいました。当時は、将来ウルドゥー語を使うことなんてないだろうと思っていましたが、これが唯一、インド就職を後押ししてくれたご縁かもしれません。
英語・異文化コミュニケーションが日常となった今、次なる挑戦は
休日は何をされていますか?
物心ついた頃から、海外旅行に行ったことがありませんでした。
日本は島国のため、どこに行くにも海を越えなければなりません。そのため、英語を使ったコミュニケーションや海外での生活や旅行というものに興味を持っていませんでした。
しかし、インドに来てからは、国内はもちろん海外へ旅行に行くことが多くなりました。週末を使えば、近場の国内旅行は安く行けますし、少し連休があればヨーロッパをはじめ、中東なども気軽に旅行することができます。
実は、明日から(取材日翌日)ポーランドに行く予定なんです。いつもはあまり人がいかないところ、かつ、マイナー過ぎないところを選んでいます。
インドで働くメリットはなんだと思いますか?
もう1つは、どの国でもやり抜けるコミュニケーションのタフさでしょうか。インド人との文化の違いや意思のギャップは大きく、これについてはネガティブに捉えられる人もいます。しかし、タフな環境でも物事をマネジメントする挑戦の出来る場であり、経験を積めるという意味では、メリットにもなり得ます。
インドに来るまでは興味がなかった「海外」「英語」への興味・関心度が上がったのは、インドで働いていたからこそと感じています。
コミュニケーションは、ほとんどが英語です。かつ、異なる価値を持つインド人と一緒に働く中で、英語だけでなく異文化コミュニケーションに自信が持てるようになったんだと思います。
この次の、わたしの新たな挑戦が、見知らぬ土地への「旅行」なのではないかと思います。
KDDI Indiaでしか体験できないサービスをインドの地で確立
今はどのようなお仕事をされていますか?
主にクライアントは、インドに進出している日系企業様。SIサービスとは、パソコンやプリンタ、ネットワーク機器といったITインフラの構築支援サービスはもちろん、お客様の業務内容を分析し、解決したい課題に合わせて、IT周りの環境企画、構築、保守・運用などのサービスを提供することです。インドで日本企業様が事業を始めるにあたり必要となるIT周りの仕組みをお客様のニーズに合わせて提案し、一括でサポートしています。
ITサービスを提供することはもちろんですが、オフィス・工場等の内装工事も込みでサービス提供も出来ます。
KDDI Indiaの今後のビジョンは?
ITインフラの新規提案だけでなく、今後は継続的サポートもしていければと思っております。現在のサービスの中で幅を広げる事はもちろん、継続的にサポート・お付き合いできるような仕組みを作っていければと考えております。
ローカルの同業の場合、人件費の安さもあり、質は二の次で安さのみに注視したサービスを提供されることも多いです。そういった企業とは差別化を図り、日系企業だからこそできる手厚いサポート、そして、KDDI Indiaにしか提供できない価値を、お客様に理解していただけるよう務めて行きたいです。
ついに6年目のインド。この地で働き続けたいわけ
日本では入社する前から転職を考える人も多いこの時代。昨年2017年の1年以内の離職者数は男女合計で122万人。25歳から34歳男性の離職者数は50万人と特に若年層の離職率が高まっています(総務省統計局より)。なぜインドという土地で6年もの歳月、働き続けられてきたのですか?
もちろん、社内環境も関係してくるとは思います。自身の意見を言える環境や業務に集中できる環境、社内の人間関係などです。その他にも、やりたいことにチャレンジできる環境。好奇心を掻き立ててくれる環境がインドにはあり、これが僕にあっていたのが時間の体感スピードを早めている理由かもしれません。
とにかく、時間はあっという間に過ぎていってしまいます。時間の速さに流されないよう、自分の意思決定を大事にしていきたい。自分の人生は自分で決めていかなければと思っています。
インド就職・海外就職を考えている方に一言お願いします!
インドにいると、日本にいるよりも遥かに体感スピードが早いです。あっという間に時間が過ぎてしまいます。だからこそ、日々、目の前のことを精一杯やる!そして、やりたいことにチャレンジする!という精神のもと、これまで働いてきました。
何年も先の事を考えても、それ通りに物事が動く確率は極僅かだと思っています。5年前、何人の人が日本人のほとんどがiPhoneを利用していると考えたでしょうか?スマートフォンがこんなにも普及すると誰が予想していたでしょうか?
予想を立てるよりも、いま目の前のことを全力でこなす、それがインド就職の醍醐味なのかもしれません。
インド就職を考えている、あなた!インドに少しでも興味がある、あなた!
インドは挑戦できる環境です。日本とは違う文化に触れ生活する事はもちろんですが、ビジネスで英語を使うことも多くあります。チャレンジし続けられる環境、そして成長できる環境であることに間違いありません。もちろん、日本を出て、海外に来て、そしてインドとなると不安も多いと思います。ですが、来てみるとなんとかなるものです。なんとかなってしまうのです。まずは一歩を踏み出すこと、チャレンジしてみることが大切だと思います。
私自身も、「好奇心が湧くかどうか。」「人がやっていないことをやってみたい。」という2つの軸で、自分の人生を切り開いて行こうと思います。
編集後記
インドに来て間もなく6年目に突入する中井さん。「挑戦」という武器だけを持って挑んだインドライフがここまで長く、中井さんにフィットするとは予測していなかったでしょう。英語や海外生活、海外就職に特段興味があったわけでなかった中井さんが、今では、英語を堪能にしゃべり、インド人スタッフに囲まれバリバリと仕事をこなし、週末はちょっと海外へ足を伸ばす生活。そんな自分も当時は思い描いてはいなかったでしょう。
海外就職にはいくつもの壁が立ちはだかります。自信のない英語、知らない土地での生活、海外スタッフとのコミュニケーションがうまくいくか?不安なことは挙げれば切りがありませんが、グローバルパーソンとして活躍する中井さんの圧倒的な成長ぶりを見れば、ここには挑戦する理由しかない。と改めて海外就職の魅力を感じるインタビューになりました。