インドで急増中のコンビニとは?立地も品揃えも十分、デリバリーサービスまで対応!

インドに24時間オープンしているコンビニってあるの?

そうです、あるのです。インドにも、深夜にお腹が空いたときや、早朝に急に必要なものを思いついたとき買い物ができる、24時間営業しているコンビニがいくつかあるのです。

しかし、意外にもインド在住者にもこのようなインドのコンビニ事情はあまり知られていません。

その理由は
インド政府が現地の個人商店を守るために外資規制をしていてコンビニチェーン店の進出があまり進んでいない、
展開しているコンビニが私たち日本人には馴染みがない(現地の独自の企業のため)
というふたつの部分にあります。

本日はそんなインドのコンビニ事情を、インド国内で大きく展開している3つのコンビニチェーン店をあげながら、ご紹介していきます。

 

インドでは日本のコンビニを見かけない!

いろんな国を訪れていると、あちこちの国でセブンイレブンやファミリーマートのような日本で馴染み深いコンビニを見かける"というのはこの時代よくある現象でしょう。私自身も海外で日本と何ら変わりのない看板や店内の商品の配置を見ると、ほっとする感覚を味わうといった体験を何度もしています。

というのも、日本国内最大店舗数を誇るセブンイレブンは、アメリカやメキシコ、タイやマレーシア、オーストラリアやスウェーデンにまで展開しており、海外店舗数なんと4万店舗以上。

一方の日本国内店舗数2位のファミリーマートは台湾に3000店舗、タイに1000店舗ほどとアジアを中心に約6000店舗を展開しています。

このように当たり前に海外で日本と同じコンビニを目にするようになってきた時代に、インドではその状況が他のアジア諸国とは異なっているのです。

理由インドの小売店「キラナ」の存在

そのひとつがインド国内の小売業の約9割を占めると言われているKiranaの存在です。キラナとは、道路に面して並んでいる屋台のようなもので、お菓子やジュース、たばこを販売しているお店のこと。

古くから家族でKiranaを営んでいるところも多く、近所の人とは顔見知りだとか、ツケがきくとか、そのような部分もあり未だにインド国内では多くの人がこれを利用しています。

そして、インドでは近年までKiranaのような小規模小売業者を守るために、政府によって厳しく外資小売業の規制が行われていたのです。これが、インドには外資系のコンビニが進出していない一番の理由です。

理由インド独自のコンビニ事業

上のような外資小売業の規制を敷いていたインドですが、2014年のモディ政権発足以降、外資規制の緩和を政策のひとつとしているということもあり、その状況は緩和・撤廃に向かっています。

しかし長年外資小売店鋪の規制が厳しかったインドでは外資系のコンビニが進出するのを果たせず、その間に徐々に拡大していったのが現地企業によるコンビニ事業だったのです。

そのため、インド国内にはコンビニがあるのに、その名前に私たちが馴染みがない、つまりは看板を見てもそれが24時間営業しているコンビニなのか現地の小売店なのか判別しにくい、という状況になるわけです。それがインドで暮らしていても、コンビニがあることに気づかない理由です。

しかし、このような現地企業によるコンビニ事業は現在はニューデリーやグルガオンを中心に店舗数を増やしています。また近年のうちに全国で500店舗の増設を目指していたりと、インドにおけるコンビニ事業は確かに拡大しつつあるのです

 

インドで拡大中のコンビニ3つをご紹介

In-and-Out Convenience Store


In-and-Out Convenience Storeはインドの大手石油会社Bharat Petroleum社のガソリンスタンドに併設する形で展開しているインド独自のコンビニです。現在はインドのコンビニ業界ではトップシェアを誇っていてその数なんと320店舗ほど。

デリーやグルガオンにはもちろん、南インドにも展開しています。訪れてみた印象はコンビニというよりはミニスーパーといった様子です。

[立地]
ガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストア。インド全土で320店舗ほど展開中。

訪れた店舗:HUDA City Center Metro Station:徒歩15分 (Sector44, Surugram, Haryana, 122003)

[品揃え]
コンビニというよりミニスーパーといった印象が強く、食材や日用品が多く揃えてあります。雑誌や新聞、コーヒーメーカー等も設置してありました。

[ホットスナック・軽食・お弁当]
ホットスナックはサモサやパイなどがありましたが、種類は多くないです。また、弁当の取り扱いはありませんでした。

[酒・タバコ]
訪れた店舗では取り扱いは見られませんでした。

 

Twenty Four Seven Convenience Store

公式HP:http://www.twentyfourseven.in/index.php

Twenty Four Seven Convenience Storeはインドの大手たばこ販売会社Godfrey Phillips Indiaの一事業として、現在デリー・グルガオンを中心に45店舗を展開しているコンビニチェーン店です。店舗の多くがガソリンスタンドに併設しています。

To be an indispensable part of the lives of people in every communityというビジョンの下で、地域住民の生活に不可欠なものになることをめざし展開しています。現在45店舗、近年中に500店舗展開をめざし、現在急速に拡大しているコンビニチェーン店です。

食料品や化粧品、日用品を初め、映画やイベントのチケットの購入、請求書の支払い等幅広く対応しています。訪れた店舗ではFree Wifiが利用できました。

また、このチェーン店、開店する前に参考にしたのが日本のセブンイレブンだそうで、あちこちに「セブンイレブン式」を取り入れています。実際に日本からエキスパートが派遣され、店舗の内装計画から商品の配置、人員のオペレーションまで幅広く指導を行ったそうです。

実際に訪れてみると、整った内装も、商品の陳列も想像以上に日本風で、思わず日本のコンビニを懐かしく思い出しました。


[立地]
クリックで公式HPより近隣の店舗を検索できますhttp://stores.twentyfourseven.in/

[品揃え]
食料品、お菓子、アイス等に加えて、コスメ、雑誌、ちょっとした医薬品などとりそろえてあります。コーヒーメーカーも置いてあり、かなり充実している様子。映画のチケットを購入や請求書の支払いも可能です。

[ホットスナック・軽食・お弁当]
他店舗と比べて、ホットスナックや弁当類が充実していました。定番のカレー弁当やサラダ、ハンバーガー、サンドイッチなどに加えて、フランクフルトやクロワッサンなどのホットスナックも購入できます。

カレー弁当はRs250(約500円)。少し高めの値段です。

[酒・タバコ]
ワインが20種類ほど取り揃えてありました。タバコはMalboroを中心に取り揃えてありました。

[デリバリー]
現在はzomato等のオンラインデリバリーサービスから購入可能です。また、公式HPを開くとOnline shopping coming soon!の文字が。近いうちに直接のオンラインでの購入、配達も可能になるでしょう。

 

Pit Stop 24


約1年前に1店舗目をSikandarpurにオープンしたばかりだそうです。店内ではTLC Kitchenという会社と提携した弁当を販売しています。軽食や昼食によさそうなパンやコーヒーメーカーも設置されていました。

店内は少し雑多な様子が残っていますが、商品はきちんと冷蔵されているなど、保管状態に不安はありません。500ルピー以上でフリーデリバリーしてくれるので、上手に活用してみるのをオススメします。(500ルピー以下でも配達料50ルピー)

[立地]
訪れた店舗:Sikanderpur Metro Station:徒歩5分/Gurudro Nacharya Metro Station:徒歩10分
Shop 24, Court, MG Road, DLF City, Nathupur, Sector24, Gurgram, Haryana 122002

 

[品揃え]
食料品(お菓子・飲料・カップヌードル・パン・アイス)、日用品(シャンプー・洗剤・ティッシュペーパー)等。チョコレートなどはきちんと冷蔵されています。

[ホットスナック・軽食・お弁当]
モモ、ホットドッグ、ホットスナック、パンケーキ等を買うことができます。店舗によってはイートインスペースが設置されている所もあります。

[酒・タバコ]
酒類は確認できませんでした。タバコは、KENTとMalboroが多くストックしてありました。

[デリバリー]
500ルピー以上の購入で無料でデリバリーしてくれます。また500ルピー以下でも配達料わずか50ルピーでデリバリーしてくれるので、忙しい時間に上手に活用してみるのをオススメします。

 

 

インドでの小売店業のこれから

インドのコンビニについて紹介してきましたが、どうでしょうか。

インドに初めてくる人からは「全てのお店が9時には閉まる」「買いたい時間にお店がやっていない」と嘆く声を聞くことがしばしばあります。しかし、まだ数は少ないとはいえ、確実にインドのコンビニ事業は拡大しているのです。

これらのコンビニは24時間オープンしているという点だけではなく、駅や大通りからもアクセスの良い立地に店舗があったり、デリバリーサービスを実施していたりと生活に役立つ工夫が見られます。また今後ATMを併設していくとあげている店舗もあります。

しかし、長年の外資小売業の規制により展開を果たしているのはインドの現地企業によるコンビニのみ。今後もTwenty Four Seven Convenience Storeとセブンイレブンのように協力という関係をとることはあるにしても、セブンやファミマのような日系やその他外資系のコンビニが進出していくことはないだろう、と予想されます。

また、コンビニ数は増えてはいるもののその価格はやはりスーパーやローカルマーケットと比較すると少し高く、利用する客層は富裕層やミドル層です。このようなある程度お金のある人が集まる地域にはコンビニが増設されていったとしても、この広大で貧富の差が大きいインドでは、まだまだ広い地域で「Kirana」のような個人小売店の存在も消えることはないでしょう

街の中で右を見れば新しく建てられたコンビニが、左を見れば地元民が集まりチャイを飲んでいるKiranaが見られる、そのように両方の小売店が共存している光景が見られ続けることでしょう。

ぜひ、インドにきたらこのような小売店の状況を見てみてください!そして、ぜひご紹介したコンビニも探して訪れてみて下さい。

店舗の位置やデリバリーの情報を事前に得て活用してみれば、インド生活の利便性をあげること間違いなしです!ニューデリーやグルガオンにお住まいの方もぜひ一度足を運んでみて、ご自分の目でその状況をチェックしてみてはどうでしょうか。

出典:http://stores.twentyfourseven.in/

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