本記事では、コロナ影響下におけるインド就職事情をPaletteを運営するJAC Recruitment Indiaの人材コンサルタントから現場の状況をヒアリングし、まとめています。
インド、コロナ感染者数の状況(5月31日時点)
5月は、ロックダウンが引き続き実施されたものの、経済活動再開に向けた規制緩和が始まったことで感染者(Active)が5月初旬に急激に増加し、その後ゆるやかに感染者総数は増加を続けました。一方で、回復者数(Recovery)も順調に増加しており、5月末時点で、回復者率は48%まで上昇しています。

引用元データ:https://www.covid19india.org/
Palette編集部のあるデリーNCRと呼ばれるデリー州およびグルガオン州は、経済の中心地であることもあり、経済活動が緩やかに再開された今、感染者の増加は防げない状況ではありますが、マーケットやお店では、店頭での一人一人の体温チェックと手消毒の対策を徹底しており、感染を防ぐ体制を整えています。一部では、コロナ対策アプリAarogya Setuのアプリの提示を求められることもあります。
インド就職内定者は前年と比較して増
在インド日系企業の駐在員は、マルチスズキなどの一部製造業を除き順次一時帰国している状況が続いています。一方で、ほとんどの企業で在宅ワークが標準化したため、採用活動などの管理業務は、会社の採用方針の変更がない限り、継続されている企業様もあり、実際に内定が決まった求職者の方もいらっしゃいます。
具体的な数値の動きは下記の通りです(本データは、JAC Recruitment Indiaのみのデータから算出したもので、インド転職市場全体の数値を表していることではないことをご了承ください)。
▼アクティブ求人数推移(書類を提出すれば、合否の結果がくる求人案件)
ロックダウン前からロックダウン後、5月末までのアクティブ求人数は20~25%に減少
ただ残りの求人については、消失したわけではなくインド国内のロックダウン、およびコロナの見通しが経つまで一時的に採用活動をストップしているものがほとんどとなる。
▼新規獲得求人数推移(新規の求人掲載数)
3月時と比べて新規獲得求人数は18.7%に減小するもの、コロナ禍でも新規求人は出てきている。
▼新規登録者数推移(JAC Recruitment Indiaの転職サービスに新規でご登録いただいた方)
インド就業=海外就業を目指す新規登録者は、どの月も昨年比増↑
3月:昨年比120%
4月:昨年比207%
5月:昨年比260%
▼内定受諾者数(JAC Recruitment India経由で内定を決められた求職者様)
3月4月は減少したもの、5月は増加↑
3月:昨年比16.6%
4月:昨年比50%
5月:昨年比200%
人材コンサルタントの視点から見たインド就職市場の傾向
- 在インド企業の採用活動はストップしていないものの、新規獲得求人数や現在も採用活動を積極的に行っている企業数は、ロックダウン前の3月時点と比較すると全体的に下がる傾向にあった
- 一方でロックダウン中にも関わらず新規の求人も毎月出てきており、コロナの影響に左右されることなく人材の需要はあり、リプレイスや新設部署の求人など採用背景も様々
- 3月末~5月末までにアクティブな求人で選考を進め、内定、内定受諾してVISA発給処理が再開されるのを日本で待っている求職者様もいる
インド就労VISA発行の状況(5月31日時点)
インドのロックダウンは緩和傾向にあるものの続いており、日本ーインド間での国際線がストップしていることも影響し、就労VISA発給が停止しています。そのため、VISA発給が開始してから現職の退職交渉に入る、またその点も転職先企業にも理解してもらいながら、転職活動を進める必要があります。
また、そういった動きをすることで、万が一内定取り消しとなった場合のトラブルに備えることができます。
JAC Recruitment Indiaより海外就職を目指す皆さまへ

JAC Recruitment IndiaのMDを務める小牧より、コロナ影響下における海外就職についてまとめさせていただきました。
業界だけで安易に判断するのではなく、1社、1社の企業理解が重要
新型コロナウイルスの感染予防として3月末に全土封鎖を始め、経済活動が停止となりました。インド政府は5月下旬から製造業界を中心に経済活動の再開を許可したものの、新型コロナウイルスが終息に向かう状況が見えないことから採用活動を保留とした企業が多くありました。特に製造業界は生産が低下し、サプライチェーンが寸断されるなど大きな打撃を受けました。一方で、このような厳しい状況下でもインド企業に大型投資をするなど、現在の顧客基盤とICTを生かし、更なる事業拡大に乗り出す企業もみられました。
当然ながら同業界であっても各企業の戦略は異なります。製造業界やIT業界といった業界を一括りで判断するのではく、製造業界の中でもリスク分散のためサプライチェーンの見直し、IT分野への投資、素材調達ルートの変更など抜本的な事業の見直しをされている企業もあります。
採用についても同様、このような状況だからこそ優秀な人材との出会いを求め採用活動を続けられている企業もあります。
裏を返せば、厳しい状況でも採用ができるということは事業基盤があり、収益を確保できる事業および製品・サービスの差別化が図れているということでもあります。
業界だけで安易に判断するのではなく、1社、1社にフォーカスし、企業と接点を持つエージェントと二人三脚で企業の事業優位性、今後の事業展開、そして仕事内容といった視点で情報収集をすることがより重要になります。
こういった状況下だからこそ見えてくる、企業の魅力や求職者様の強みがあります。JAC Recruitment Indiaはコロナ影響下でもこれまで通り、就職無料相談の実施や、定期セミナーを実施しております。是非、お気軽にご参加ください。
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