インドの治安・生活に関するアンケート調査結果【2022年版】

インド 治安

2022年最新版!Palette恒例となる、インドの生活・治安に関するアンケート調査結果を公開致します!

コロナ禍において、各地の治安状況や医療現場の現実など、これまでとは違った状況下で皆さんが改めて感じたことなど、治安編・生活編に分けてお届け致します。

本記事では、治安編と生活編の2部構成で調査結果をご報告します。

コロナ後のインドの治安は変わったのか?【治安編】

世界中でこれまでの”日常”の姿を変えてしまったパンデミック。コロナ禍のインドを経験した方、コロナが落ち着きを見せてからインドに戻ってきた方のリアルな声をご紹介いたします。

Palette編集部
現在どこに住んでいますか?

インド在住と一言でいっても、国土面積は日本の約9倍もあるインド。今回は、インド東部、西部、南部、北部、インド以外の5つに分け、アンケートに回答してくださった方の比率は下記の通りでした。

インド 治安

 

 

 

 

日本人在住者が最多となるデリー、グルガオンを含む北部の方が多くアンケートに協力してくれました。

Palette編集部
都市部と郊外どちらに住んでいますか?

都市部 94.7%
郊外  5.3%インド 治安

 

都市部と郊外では、治安にも差が出てくると思います。引き続き、治安についてのアンケート結果を見ていきましょう。

Palette編集部
インドで実際に危険な目にあったことはありますか?

あると答えた人は全体の約1/4でした。

ある 26.3%
ない 73.7%インド 治安

 

Palette編集部
危険な目にあったときの具体的な状況を教えてください。

・少し暗くなってから道を歩いていたら道を塞がれた。なんとか逃げたが怖い思いをした
・混雑している場所での痴漢
・旅行先(ハンピ)のホテルで、従業員に部屋に入れてと言われ、セクハラ的な発言をされた
・強いていうと、犬にいきなり噛まれたこと
・乗っていたUber(タクシー)が故障して、深夜に高速でおろされた・オートリキシャのメーターをセットしたのに壊れていて、50ルピーの距離で100ルピー請求された。ドライバーと口論になり、周りもザワザワしはじめた。スマホでドライバーの顔を撮影してポリスを呼ぶと脅すも、相手も意固地になって譲らない。結局は連れに制止されて50ルピーを払った。インドではニコニコと笑って騙される仏心も大切かもしれない

お金をめぐる問題や、暗い時間の外出、また女性が直面する性的な危険というのは、どこの国でもトラブルとなるリスクが高いようです。これらは注意して行動することで、トラブル回避していきたいですね。

実際にみなさんは、どのようなことに気をつけて生活しているのでしょうか。

Palette編集部
危険に巻き込まれないように気をつけていることを教えてください。

・外国人だと騙されやすいと思っているので、英語ではなく現地語を使用している(タミル語・カンナダ語)
・暗くなってからの一人歩きをしない。またエリアを考えて行動する
・人が少ない場所、また混雑している場所は避ける
・移動は、ウーバータクシーなど、通報やトラッキングが可能なモビリティを使用する
・戸締りをしっかりする
・誰にでも愛想よくしない
・ゆっくり歩かない
・日本語で話しかけてくる人に反応しない
・人を簡単に信用しない
・肌の露出を控える

夜の一人歩きを避けるというのが、もっとも多い回答でした。場所、手段、自分の行動を選ぶという基本的な心がけをするだけでも、トラブル回避は可能ですね。



 

コロナによる大きな変化は感じない

Palette編集部
コロナ禍において、どういった治安の変化を感じますか?

・身近なところでは特に感じない
・ロックダウン中は、失職者の暴動の危険があるかと不安になったが、外出自体が減ったので特に感じない
・一時期は、ハイウェイで強盗が出るなど物騒な話をきいた
・携帯電話に詐欺的な電話やメッセージが来ることが多くなった
・浮浪者を見ると不安を感じるが、実際の変化は分からない
・アパートのセキュリティが田舎に帰省してしまい、その後新しいセキュリティが来てもなかなか定着しないので不安。たまに、セキュリティが怪しいのではと思うこともある
・あまり変化を感じない

コロナ禍は外出を控えていたせいか、特に大きな変化を感じることはなかったという回答が多く見られました。

最後に、夜間外出について、みなさんがどのような意識を持っているのかをうかがってみました。

Palette編集部
夜間は外出されていますか?

Yes   63.2%
No  36.8%インド 治安

 

 

 

過半数以上の方が夜間でも外出していますね。

Palette編集部
 何時ごろまで外出していますか?

回答者の約半数の方は23時までとの答えでした。深夜1時頃までという人も15%ほどいました。

・23時前(それ以降は夜間外出禁止令により警察に怒られるため)
・22時くらい
・25時

コロナ禍では、インド政府による外出時間の規制(ナイトカフュー)が発表され、これは州政府によっても異なる規制であったため、住居エリアによって外出できる時間が異なりました(現在はほぼ解除)。

Palette編集部
夜間に外出する目的はどんなことですか?

87.5%の方が、家族や友人との食事という回答でした。
その他、買い物や、コロナ前はスポーツジムへ行って夜22時頃に帰宅していたという方もいました。

編集部員が住むタミル・ナドゥ州では、パンデミックの影響もあり、家族や友人との食事以外の目的で夜間外出する人は、少ないように感じましたが、都市部であるデリーNCRではすでにモールやレストラン街は人出で溢れています。

続いて、生活編です。

衛生環境は、期待していたよりよかった【生活編】

Palette編集部
インドの衛生は期待していたよりひどかったですか?よかったですか?
インド 衛生

 

 

期待よりもひどかったと答えた方は全体の約2割。

主に水回りや道路状況についてのネガティブな印象が目立っています。衛生感覚についての印象は、関わるインド人によっても大きく異なりますし、道路状況についても住むエリアによって違いはありますが、みなさんの回答をまとめてみました。

・自宅の貯水タンクが不衛生
・飲料用の水は浄水器が必要
・道路は穴だらけで、雨が降ると下水が上がってくる
・路上の動物の糞や、ゴミが多い
・基本的な衛生感覚がひどい
・レストランで、テーブルを拭く布が汚い
・アパートのゴミ捨て場は野良犬によって荒らされている
・肉屋では動物の血が飛び散って、鞄にかかることも
・路上で立ちションしている人が多く、たまに匂う

一方で、期待よりもよかったと答えた方は全体の約8割。都市部のホテルやモールなど、清掃の行き届いた綺麗な場所や、日本食材が手に入るといったことに期待以上の満足感を感じているようです。

・オシャレで綺麗なモール、レストラン、ホテルがある
・自分で場所を選べば、汚い場所と無縁の生活も可能
・田舎に比べて都市部ではお手洗いもキレイだった
・グルガオンは、割高ではあるけれど韓国・日系スーパーで口に合う食材を購入できる
・食あたり経験はほとんどなかった
・ある程度のことはお金で解決できるから
・良くも悪くもない

実際に、インド主要都市のモールや、やや高級以上のホテルやレストランでは、お手洗いを含めて担当の清掃員がおり、清掃がいきわたっています。一方、小さなローカルショップや田舎の方に行くと、衛生面が気になる人が多くいるのも現実です。

また、最初に抱いているインドのイメージや予備知識によって、実際に訪れてみた時、住んでみたときに感じるギャップは変わってくると思います。そのギャップを楽しむのも海外生活の醍醐味ではありますが、事前に良い面、悪い面どちらもあわせたリアルな情報を知っておくといいですね。

インドの洗礼(食中毒)は本当にあるのか?

Palette編集部
インドの食事で体調を崩したことはありますか?
インド 衛生

 

衛生面では思ったよりも好印象な結果でしたが、食事による体調不良を経験した方は全体の約7割近くいました。下記に原因となった食べ物の回答をまとめてみました。

・Shivani Nagarの露店で焼いている肉
・Kamannahariのタミル系食堂のミールス
・食中毒ではなく辛いものを無理して食べたため
・乳製品
・油の多いカレー
・日本食
・水か、加熱が不十分な卵
・辛いもの
・ヤギの脳みそカレー
・露天で売っているラッシー
・長距離バス移動中の休憩所で買ったスナックと玉ねぎなどを和えた軽食
・原因は不明

原因となった食材や場所は様々ですが、どこで何を食べるのか、どんな食材が自分の体に合わないのか、買い物をするときの注意点など、実際に生活していく中で、経験の中から身につけていかなければいけないことがまだまだたくさんあるように感じます。

インド 治安

 

 

意外と安心度の高いインドの病院

Palette編集部
インドの医療は期待していたよりひどかったですか?よかったですか?
インド 医療

 

世界的なパンデミックをうけて、インドにおける医療事情についての関心、また不安はより高まっているかと思います。

一方で、今回のアンケートで、「期待よりもひどかった」と答えた方は1割。実に9割の方が、期待よりもよかったという印象を持っています。

ひどかったとの回答は下記のような経験からきているようです。

・インドでの入院体験から感じた
・文化的な違いか、医師の対応についてはあまり熱心で真摯な対応が見られない
・入退院は日本のようにスムーズではない
・治ったら自分でアピールしないと、退院を長引かされる

一方、期待よりもよかったと回答した理由としては、設備や医師、処方された薬に対しての満足度からきているようです。

・予想以上に病院がキレイだった
・値段が安い
・腹痛、発熱時の受診の際、ある程度症状にそった処方をしてくれる
・お金はかかるが、コロナ禍の予防接種をスムーズに行えた
・きちんとした病院には、よい医師がたくさんいる
・日系の会社のため、高額な検査代金でも、海外旅行傷害保険を会社が負担してくれる
・診察料金200ルピーほどの町医者は、治療設備は整っていないが、多くの患者さんが来院していて、医師の説明も処方箋もしっかりしていた
・外国人御用達の病院は、設備なども日本と遜色しないように見える
・値段は高いが、日本人がいる病院は丁寧で安心
・ジャパニーズヘルプデスクや日系の診療所がある
・看護師さんの注射が上手
・歯医者さんも日本とほとんど変わらない上に、安い
・歯医者には感動した。大きなモニターで治療が確認でき、なおかつアフターケアの連絡もしっかりしている

多くの方がインドの医療の現状についてポジティブな意見を持っていたように、現在のデリー、グルガオン、ムンバイなどの大都市において、外国人が行くような総合病院には、丁寧に管理された建物の中に最新の医療設備が整っています。なおかつ、優秀な医師が勤務する病院もあります。日本人専門の通訳会社もあり、十分なサポートを受けることが可能です。

また、世界第2位の人口を抱えたインドでは、医師たちが日々診察する患者数や手術の経験値は、海外の医師たちよりも圧倒的に多いのも事実です。
口コミや紹介などで、信頼できるかかりつけの医師や病院を探しておけば、いざとなったときにも安心して対応ができるのではないでしょうか。

Palette編集部
コロナ禍において、インド生活で変化した点を教えてください。

コロナ禍においては、世界中でライフスタイルの変化が起こっていきましたが、インド在住の方々が感じた身の回りの改善点や困っている点など、日常生活での変化について教えていただきました。

・オンラインショッピングが増え、食事もデリバリーが増えた
・人と会う機会が減って、インド現地で働くことの価値が減ってしまった
・一時的に大気汚染が改善された
・在宅が増えたので、自宅でゆっくり快適に過ごせる工夫をしている
・ショッピングモールのフードコートの混雑が減った
・FRRO(外国人地域登録局)の手続きがオンラインでできるようになった(地域差あり)
・部屋にいる時間が多くなり、電気代が高くなった
・自炊が増えた
・乗り気のしない飲み会がなくなったのが嬉しい
・普段からマスク着用するため、大気汚染による体調不良が減った
・コロナ禍で、インド人の人懐っこさに触れられないのが少し寂しい

コロナ禍では、オンラインフードデリバリーが発達し、自宅に取り寄せができるお店(日本食も!)や食事の種類が増え、そのサービスやアプリの種類も一気に向上しました。また、それにあわせてG-pay(Googleの小口決済アプリ)やPaytm(インド地場の小口決済アプリ)のような電子マネー決済がどこでも使えるようになり、今ではデリバリーやスーパーマケットはもちろん、路上の野菜売りのヴェンダーの人たちの間にも浸透し、生活がより便利になっています。

苦労もあるけれど、成長もあるインド生活

ニュースやSNSなどで見聞きする情報と、実際に身近な生活環境の実状というのは、必ずしも同じではないので、このような在住者の方のリアルな声というのはとても参考になりました。

最後に、これからインド就職を目指す方へむけてのコメントをいただきました。

・成果を出せば確実にキャリアにつながります。
・今後の成長に期待大の市場があります!
・なぜインドなのか、きちんと理解した上で渡航することをお勧めします。
・仕事における責任は大きく大変ですが、人間関係はすごく楽です。裁量権が大きく、会社の予算もあまり気にせずに使えるのが利点です。また、現地採用後のキャリアとして、日本の本社や大手企業に転職した人もたくさんいます。
・インド就職を経て日本の一部上場企業本社に転職しましたが、組織が大きい故、インドのように仕事の自由がきかず、インドでの仕事は本当に楽しかったなと思います20代の若い世代は特に、インドにチャレンジして帰国すれば確実に次のキャリアにつながると思います。
・インドでの就職を経ることで、個人の価値は間違いなく上がると思います。
・仕事でも私生活でも旅行でも、乗り越える壁がたくさんあり、楽しみながら成長できる場所です。


・グルガオンなどの都市部では、想像以上に便利な生活が可能です。
・とにかく色んなことが起こります。刺激に囲まれた生活がインドの醍醐味ではありますが、疲弊して引きこもってしまわないように、余暇に楽しめることを見つけて自分時間を大切にすることが大事だと思います
・苦労は多いですが、苦労や面倒なことに諦めずに立ち向かう忍耐があれば大丈夫です。
・大体のことはなんとかなるので、気張らずに来てください
・住んでみて、合えば住み続け、合わなければすぐに帰ればいいと思います。
・大概のものは現地で揃うし、物価が安い。また親切な人も多いので生活はしやすいです。ただ、空気はかなり汚いので室内でもユニチャームマスクが必須です。また英語を話さない人が多いのも不便な点です。
・当たり前のことが当たり前じゃなくなり、気持ちが下がってインドいやいや期も定期的にくるけれど、意外と手に入らないものはないし、何よりも人が温かいから住みやすい。インドでは全てが完璧である必要はなく、英語も優しく聞いてくれようとしてくれる。時間に少し遅れても、体調が悪くなっても責められることはなく、生活も働く環境もとてもいいです。
・刺激的で楽しい毎日ですよ!
・インド生活は想像しているよりも遥かにいいし、きっと楽しい!
・みんなで助け合って楽しくやりましょう!
・Welcome to India !

コロナによって、インドではD2C産業が活況となり、デリバリーシステム、ペイメントシステムなどテック産業が著しく発達。生活の利便性が向上しました。同時に、コロナへの感染や厳しいロックダウンによって、都市部では、心や体への健康への関心が高まってきており、ウェルネスを意識したビジネスや人々のライフスタイルの変化なども感じます。

また、インド政府によるパンデミック下の徹底したコロナ抑制プロトコルが、公共施設や一般家庭の衛生管理の意識が高まった点は、これまで衛生面が心配されてきたインドにとってよく作用したように感じます。

一方で、昨年の第二派では、医療体制や経済・社会情勢への不安は高まりました。そんな中、医療通訳として貢献された日本人の方々には感謝しかありません。

▼インタビューはこちら
インド、コロナ禍の医療現場のリアル。こんな時だからこそ、使命感を持って働く日本人女性がいる

Paletteでは、引き続き、ポストコロナで進化したインドでビジネスキャリアを積んでいただける機会を掴んでいただくために、生活・就職に関するフレッシュで正しい情報を発信して参ります。今回、アンケート調査にご協力いただいた皆さまには心より感謝申し上げます。

もっと詳しく質問がしたい方は、いつでもPalette編集部、またはJAC Recruitment Indiaのスタッフがご相談にのります。下記よりお気軽にご相談ください。お待ちしております!

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インド生活は本当に過酷で危険なのか?インドで働く現地採用者にアンケート 2018年度版【生活・治安編】

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